寺島尚正 今日の絵日記
2022年7月25日 これも中々ですぞ
先日23日土曜は「土用、丑の日」。
夏バテを乗り切るため、前日の22日も、鰻店は混雑していた。
当日丑の日、スーパーで沢山の蒲焼きが並んでいた。
それにしても鰻は高価だ。
原因は、稚魚の不漁に端を発した成魚の出荷価格の高騰だという。
鰻の養殖は、二ホンウナギの稚魚であるシラスウナギと呼ばれる稚魚を河口などで捕獲し、池に入れて育てる。
このシラスウナギの漁獲量が年々減ってしまっているため、その価格が高騰しているのだ。
さらに、価格が高騰したことによって、密漁や環境汚染問題も挙げられている。
ならば、鰻を卵から養殖すれば良いのでは?と考えるのだが、現段階ではシラスウナギを捕まえて育てる以外方法はないのだという。
なぜなのか・・。
それは鰻の生態が完全にはわかっていないから。
驚くことに、鰻は普通に育てた場合、全て「オス」になってしまうそうだ。
現段階で、鰻の性別を決める要因がわかっていない。
また性別に影響を与える環境も解明できていない。
普通に育てた場合、全てオスになってしまうという中で、メスが生まれる要因がわからない限り、卵から鰻の完全養殖はできないのである。
シラスウナギの捕獲量は2010年辺りから大きく下がって、ニホンウナギは平成26年6月には絶滅危惧類に認定された。
加えて今年は、東アジア全体で、ニホンウナギの稚魚の漁獲時期が1カ月から2カ月ほど遅れたため、生育が間に合わないことなどから、6月のウナギの平均価格は、2021年の同じ時期に比べて、1kgあたり500円程度上がったという。
近頃は、鰻の蒲焼き風の食材や、納豆のタレが「うな重」風味というものも登場している。
一方で、そのニホンウナギの稚魚や幼魚が、これまで生息地とされていなかった北海道の川から相次いで見つかったと、先日、研究グループが明らかにした。
ニホンウナギは、日本や中国、韓国、台湾などの東アジア地域に生息していて、太平洋のマリアナ諸島沖で生まれた稚魚が北赤道海流や黒潮に乗って東アジア地域の沿岸にたどりついたあと、川などで育つと考えられている。
日本での生息地の北限は青森県とされていたのだが、研究グループは、稚魚が北海道の川にまでたどりついていて、気候変動などの影響で黒潮の流れが強まったり海水温が上昇したりして、回遊ルートが北上している可能性があると指摘。
まだまだ未知の魚を私達は昔から、生態などはあまり考えずに食していた。
今年の土用丑の日は2回。
次は8月4日木曜日だ。
次に鰻を食すときには、もっと味わっていただこう、そう思う。