寺島尚正 今日の絵日記
2022年6月20日 早くもお目見え
今年も、文化放送近くの芝大神宮に「茅の輪」が設置された。
心身を清めて災厄を祓い無病息災を願う行事で、神社の境内や鳥居の下など、いわゆる「結界」の内側に設置される。
茅の輪くぐりの由来をインターネットで調べてみた。
日本神話にあるようだ。
備後国、現在の広島県東部を旅していたスサノオノミコトは宿を探していた。
そのとき、蘇民将来(そみんしょうらい)という人物が貧しい暮らしをしながらもスサノオを手厚くもてなした。
数年後、スサノオは再び蘇民将来のもとを訪れ、「病が流行ったら茅(ちがや)で輪を作り、腰につけて難を逃れなさい」と教えた。
その後、教えを守った蘇民将来は難を逃れることができたそうである。
それが茅の輪くぐりの由来のようだ。
昔は茅の輪を腰につけて無病息災を願ったが、江戸時代初期ごろに、現在のように大きな輪をくぐるようになったとか。
輪に茅が使われる理由には、茅に利尿作用があり、生薬として用いられ、夏の体調回復に使われていたから。
あるいは茅は魔除けの力を持つと考えられていたから、などの説がある。
ところで、茅の輪くぐりはいつ行えば良いのか。
1年の半分が過ぎた6月の晦日、6月30日に行われるのが一般的である。
神社によっては、芝大神宮のように、しばらくの間、茅の輪が設置されるところもある。
設置されている期間中はいつでも茅の輪をくぐってよいそうだ。
もっとも、茅の輪くぐりは、ただ輪をくぐり抜けるものではない。
くぐり方は、神社ごとに祀られている神様が違うため、神社によって異なる。
また、茅の輪の芽を引き抜いて持ち帰るのは絶対にしてはいけない。
一見ご利益がありそうだが、茅の輪は参拝者の厄災や穢れを茅の輪に移して、清めていく物のため、芽を抜いて持ち帰るということは災厄を持ち帰るのと同じ意味ということになる。
私も、この半年の穢れを落としてこよう。
人絶えし茅の輪に雀来てをりぬ 今井真寿美