寺島尚正 今日の絵日記
2022年5月16日 旅の準備OK
街を歩けば、タンポポが綿毛を飛ばし始め、紫陽花が順調に成長を続けている。
3年目に入っているコロナ禍。
一昨年や去年よりも、花を鑑賞する落ち着きを取り戻しつつある。
焦点は、感染対策とバランスを取りながらいかに日常生活を取り戻すか、である。
新規陽性者は、検査数の影響などもあって大型連休後増加傾向だが、今年各地の祭りや大型イベントは、コロナ前の賑わいに戻そうと頑張っているニュースをよく目にする。
秋田県では夏祭りを代表する「秋田竿燈まつり」(8月3~6日)は3年ぶりの開催が4月下旬に決定。
秋田県内唯一のフルマラソン「田沢湖マラソン」(9月18日)も開催を決定。
東北を代表する野外音楽イベントの「男鹿ナマハゲロックフェスティバル」(7月29~31日)も開催が決まった。
富山市八尾町の伝統行事、「おわら風の盆」が、規模を縮小して3年ぶりに開催されることが正式に決まった。
300年以上前から富山市八尾町に伝わるとされるおわら風の盆は、毎年9月1日から3日間にわたって行われる伝統行事で、例年、県内外から20万人前後の人たちが訪れていたが、去年と一昨年はコロナの影響で中止になった。
開催にあたっては、感染対策として、前日を含む4日間、踊り手と地方あわせて約1000人を対象に抗原検査を実施するほか、おわら競演会や前夜祭は中止にする。
関係者は「規模は小さくても、2年間踊ることができていない子どもたちに伝統を伝えていくために開催を決めた」と話した。
各地の祭りなどの中止は、これまで感染拡大防止のため仕方が無かったともいえるが、一方で、それぞれの地で長く続いてきた伝統文化が中断を余儀なくされ、次世代への継承という意味でも危機が叫ばれている。
2年続けて中止となった津軽地方を代表する夏祭り「弘前ねぷたまつり」も、今年、感染対策をとった上で、例年通り8月上旬の開催に向け準備が進められる。
開催にあたっては、手や指の消毒ができる場所を設けるほか、観客に対して飲酒や食べ歩きをしないことや大きな声を出さないことを要請するなどして感染対策を実施するそうだ。
重要となるのは感染拡大を防ぐ十分な対策。
開催にあたっては、マスクの着用や飲食の制限など、コロナ時代の一定の制約を受け入れる覚悟が求められる。
今後の感染状況はわからないが、地域の伝統文化を守り、活気やにぎわいを徐々に取り戻していくことも大切。
漸く「ウィズコロナ」への歩みが始まった気がしている。