寺島尚正 今日の絵日記
2022年3月28日 三分咲き
東京で、3月20日に開花した今年のソメイヨシノは、丁度1週間後の27日午後満開と発表された。
東京でサクラの満開は平年と比べて4日早く、去年に比べて5日遅いという。
この日の午前中には福岡のサクラが満開になったと発表。
福岡の満開、今年のソメイヨシノの満開としては、全国で最も早かった。
改めて東京の桜は、開花の時期が東京より西に比べて、意外と早いと感じる。
一説には、東京はコンクリートの建物が密集しているので、太陽の反射で一気に気温が上がるので、桜も他の地域より比較的早く開花するのだという。
妙に納得する。
気象庁の満開発表は、ソメイヨシノの標本木で8割以上の花が咲いているのを観測してのこと。
満開が発表されたとはいうものの、咲く場所や木にもよるのは当然のことで、同じ東京の八王子では、まだ3分から5分咲きに感じる。
桜の花の「○分咲き」とは、標準木の樹冠の、開いている花の数の割合で判定され、三分咲き、五分咲きの「分」は「10分の1」という意味合いをもち、三分咲きは「三割の花が開いていて、七割がつぼみの状態」を指す。
ということは、八分咲きが満開と表現される事になる。
桜の花は、満開から1週間程度で徐々に花が散る。
しかし、降雨や強い風が吹くと花の散り方は早くなる。
一方、花が咲いてから気温が下がる「花冷え」になると、少し長持ちする。
花が散った頃に葉が混ざり始めると、葉桜と呼ばれるが、満開から一週間くらい経つと、その葉桜になるという。
その間、「桜吹雪」や、近くの川には「花筏」が見られ、やがて花びらは姿を消してゆく。
今年も大勢での花見は控え気味だが、来年は桜の木の下でと期待している方も少なくないだろう。
さまざまの事おもひ出す桜かな 松尾芭蕉