浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 9時30分~10時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2021年12月27日 初雪後の青空

2021年も1週間を切った。
日本列島には、数年に一度クラスの強い寒気が流れ込んでいて、日本海側は広い範囲で雪が続いている。
西日本の日本海側でも、土曜から一気に雪の積もった所もある。
強い冬型の気圧配置は28日にかけても続くため、日本海側を中心に大雪に警戒が必要だ。
東京管区気象台は、26日午前0時10分ごろ、「東京の都心で初雪を観測した」と発表した。
東京都心の初雪は、平年より8日、昨シーズンより17日いずれも早いという。

その初雪が観測された東京都心とは、正確には気象庁のある港区虎ノ門と推察される。
その虎ノ門にある寺の一角に、26日現在「ユリ」が咲いている。
「そんな、まさか、見間違えだ」という声が聞こえて来そうなのだが、私が見る限り「高砂百合」もしくは「鉄砲百合」なのである。
調べてみると、新潟県魚沼市の月岡公園は、秋咲きのユリで有名のようで10月21日時点の花の群れが存在している。その後は不明だ。
虎ノ門のユリは数本ではあるものの、この年の瀬、凜と咲いている。
発見したのは1ヶ月前。寺を散策中、裏手のひっそりとした空間を見つけた。
そこに、周りの葉が赤や黄色に色を変える中、白い光を放つユリがあったのだ。

あれから週に一度見に来ている。
推測するに、地下でつながった茎で4本程地上に姿を現し、その1本ずつがいくつもの膨らみをつけ、花を咲かせているのだ。
しかし、なぜこの季節まで咲いているのか。理由は不明。
先週も咲いていた。
一つの花が衰えてくると、別の所が膨らんで来る。
しかし今回は、初雪が観測されるほどの気温。
花を落としたか、百合自体が力を失ってしまったのではと、半ば諦めの気持ちでその場所に向かった。

ユリの場所は鐘楼堂の奥にあり、咲く所に行くまで視界が開けてこない。
山門から入り、鐘楼堂に向かう。
冷たい風が、水分を失った枯れ葉を巻き上げる。
あたりは赤や黄色、そして常緑色の3色しかない。
堂の裏手に歩を進める。
百合が存在する場所への視界が開けてきた。
折しも陽が出てきた。その陽が、ユリの咲く場所を示しているようだ。
「あった!咲いている!」
初雪にも、その寒さにも動じず、静かに白いラッパ型の花が開いていた。
安心すると同時にその気高さに感動。
風も止み、尾長鶏の声以外は聞こえない。
陽を浴びるユリを見つめながら、この1年を考える。
そして、来年自分はどうすべきか思いを巡らせた。

冬に咲くユリから教えられたことがある。
それは、
「皆が同じ速度で事を為す必要はない。
それぞれのペースで、周囲の動きに慌てず
自分の目標に向かいコツコツ努力をして行く。
それこそが、自分らしさ、この世で生きる大切なことなのではないか。」
自然は多くのことを教えてくれる。
来年も様々なものから学んでいきたいと決意を新たにした。
今年一年お世話になりました。よい年をお迎えください。


 初雪後の青空
初雪後の青空
 紅葉の季節にユリが咲く
紅葉の季節にユリが咲く
 花に教えられ1年を締め括る
花に教えられ1年を締め括る
 ただ一本、我が道を行く
ただ一本、我が道を行く

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