寺島尚正 今日の絵日記
2021年12月13日 一年中見るけれど
知人に「サツマイモ」を頂いた。
芋の切り口から蜜が少々滲んでいて、見るからにおいしそうだ。
「さてどうやって食べようか・・」
相好を崩しながらインターネットで食べ方を調べ始める。
そんな時、素朴な疑問が頭を過ぎった。
「サツマイモの旬は今なのだろうが、スーパーには1年中あるのはなぜ?」
食し方の前に、まずそちらの検索をした。
まず旬はというと、
「サツマイモは秋のイメージがあるが、最もおいしく食べられるのは秋~冬にかけて。
サツマイモは収穫後、2~3か月ほど貯蔵することで水分が抜け、甘くおいしいサツマイモに変化する。
収穫されるのは8~11月頃だが、おいしく食べられるのはその2~3か月後の10~1月頃」
というわけだ。
そして、1年中サツマイモがスーパーにある訳は「キュアリング貯蔵」にあった。
キュアリング貯蔵とは、収穫後、土がついたままのサツマイモを35℃、湿度95%以上の環境に約50時間置くことで、 皮下組織にコルク層ができ、収穫時についた傷を自然治癒(キュア)する。
これをキュアリング処理といい、病原菌などの侵入を防ぎ最適な水分やおいしさを閉じ込める。
その後一気に12℃まで温度を下げ湿度85%で貯蔵することで、最高の状態を長期間維持する。
これが「キュアリング貯蔵」だ。
というのも、掘りたてのサツマイモは収穫時につく傷があり、このままの状態で貯蔵すると傷口から病原菌が入って、腐敗や水分が抜けて味が落ちる原因になる。
しかし、収穫後の土がついたままのサツマイモを35℃、湿度95%以上の環境に約50時間置くことで皮下組織にコルク層ができ、収穫時についた傷を自然治癒する。
キュアリング処理をしたあと、一気に12℃、湿度85%で貯蔵することでサツマイモは腐敗しにくくなるため、年間を通して安定した出荷が可能になり、良い状態で長期貯蔵され、うまみを増したサツマイモは有利販売も目指すことができるのだという。
さらに、キュアリング処理後貯蔵したサツマイモを、洗浄・調整後に再度キュアリング処理することで、2~3週間の長期輸送中の腐敗抑制効果が得られ、輸送コストの安価な船便で安定して輸出することができるという。
大切なのは温度と湿度の管理。
最近では、蜜たっぷりのサツマイモなど、種類の開発もさることながら、本来痛みやすいサツマイモを1年中おいしく食することができるのは、研究者の努力の賜なのだということを改めて知った。
内閣改造甘藷包みし新聞紙 星野禎三