寺島尚正 今日の絵日記
2021年9月13日 例年より早めの安らぎ
夏の厳しい暑さも一段落し、
9月に入ってからは関東で朝晩だけでなく昼間も涼しさを感じる日が増えている。
そんな中、週末八王子の自宅近くは、早くも「良い香り」に包まれている。
「良い香り」は「金木犀」のもの。
金木犀はモクセイ科の常緑小高木の一種。
元々は中国から渡来した花と聞く。
例年にかけて9月下旬から10月頃に開花し、その甘い芳香は秋の風物詩ともいえる。
今年は全体的に植物の開花が早かったのに加え、
8月の終わりまでは最高気温が30℃以上の真夏日となった関東地方も、
9月に入ると急に気温の低い日が続いた。
東京の平年値と今年の気温を比べると5℃以上も低い日があり、
金木犀など植物も気温を感じ取り、
今年は例年よりも早いタイミングで咲き始めているようだ。
金木犀の開花時期は気温の影響を受け、
気温が高いほど開花時期は遅くなると言われているが、
関東では朝晩涼しく、昼間も25℃前後となる見込み。
関東などでの金木犀の開花は更に進みそうだ。
金木犀の樹皮はサイの皮膚と似ていると言われ、
沢山の花が集まり黄金色に見えることから由来してつけられたと言われている。
中国では「丹桂」と呼ばれ、「桂花」と呼ばれることも多く、
緑茶に金木犀を混ぜて香りづけした「桂花茶」というものがある。
また「桂花陳酒」は、白ワインに金木犀の花を3年漬けてできた混合酒で古くは、
楊貴妃が好んで飲んでいたと言われている秘酒だ。
金木犀の開花期間は1週間ほどと短い。
小さなオレンジ色の花をたくさんつけ、甘い香りと共に楽しませてくれる。
花が散った直後は地面がオレンジ色に染まり、これも美しいのだが。
もっとも、金木犀の2度咲きはあるようで、
真偽のほどは定かではないが、1度目が咲いた後に夏の様に暑くなり、
又涼しくなると、金木犀は、又秋が来たと思い咲くと聞いたことがある。
今年はどうだろうか・・。
いずれにしても、朝晩の涼しさや虫の声に加え、
金木犀の香りでも秋の到来を感じる季節になって来たのだなあ。