寺島尚正 今日の絵日記
2021年8月17日 恐る恐る
13日金曜に2回目のワクチン接種を受けた。
八王子市の大型接種会場は、2度とも、スタッフの手際が良く、
オレンジに白地で「案内」と書かれたチョッキを着て、接種者と思しき人を見れば声を掛ける。
そして15分刻みの予約者をグループ分けし、提出書類の確認や、検温などテキパキこなす。
何より安心できたのは、皆、微笑みながら対応してくれたところ。
2回ワクチンを接種すれば、新型コロナウイルスに感染しても重症化の率は低減すると言われている。
その安心感を考えれば、早く打ちたい。しかし個人的に「注射」の痛みが大の苦手だ。
そんな怯えた私の表情を察知してか、優しい対応が私の背中を摩ってくれているようだ。
予定時間の10分前にグループは別室に移動し、本人確認ブースから医師の問診ブース、そして接種ブースへと進んでいった。
接種者は私の場合2度とも女性。
書類を渡し腕を出す。
「利き手はどちらですか?」
「右です」
「では、左手を出してください」
いよいよだ。全身が強張る。
「手は脇下にだらーんとして、力を抜いてください」
見透かされたようだ。
「ちょっとチクッとします」
「ウッ」
心の中で呻いた。
1回目より痛みが強く、腕がワクチンを拒んでいる感じがしたのだ。
「はい済みました。今夜お風呂は入れますが、激しい運動は避けてください」
「あのう、適度な飲酒はよろしいですか?」
「大丈夫ですよ」
「有難うございました。お世話になりました」
その後、案内からアナフィラキシーショック対応の15分後の時間が記された「ファイザーワクチンを受けた後の注意点」を渡された。
パイプ椅子にナンバーが振ってあり、そこまで導かれ着席。
周囲を見渡すとポスターが。
「2回目のワクチン接種後、10人中4人は38.0度程度の発熱が報告されています。ほとんどの方が2日以内に解熱しています」
私は6割に入るのか、4割の方なのか。
帰途に就き1時間するかしないかで、接種された腕が痛くなり始めた。
1回目接種後の腕の痛みは7時間後くらいだったのに。
「これは、発熱決定だな・・」
覚悟を決めて、ドラッグストアで発熱対策の冷却材を購入。
夕方家に戻り、入浴後、緊張を解そうと「缶酎ハイ」のプルトップを引く。
1週間の仕事とワクチン接種の解放感からか、殊の外美味い!
あっという間に1本空け、2本目に。
「そろそろ、熱が出て来るのか」
怯えていると、汗が出てきた。
「いよいよか」
体温計を引っ張り出した。
それから1分後「ピッ」、計測終了の電子音が鳴った。
恐る恐る数字を見ると「36.8℃」
「あれ?腕は上がらない位痛いのに」
普段飲まない白ワインの栓も開け、様子を窺った。
飲んでも酔わない。
2時間ほど経ち次第に眠気がやってきた。
横になったものの、寝返りを打つたびに左腕の痛みで目が覚める。
適量を超える程飲んでも痛い。
一方で悪寒は走らないのである。
夜中3時に今一度検温してみた。
計測終了音の後表示を見た。
「36.8℃」
発熱は免れたようだ。
これを記している15日午後6時時点でも平熱。
腕の痛みは、最大に比べて2割程度までおさまった。
新型コロナワクチンのmRNAは、ウイルス表面の突起部分のたんぱく質を作る設計図。
免疫にウイルスの特徴を覚えさせ、実際にウイルスが侵入したときに抗体等で攻撃する。
2週間後くらいで体の中に新たな武器が備わるだろう。
もっとも、私自身、これまで通り、いや、さらに油断せず生活していくつもりである。