寺島尚正 今日の絵日記
2021年5月17日 月よりのシーシャー?
16日、気象庁は、近畿と東海の梅雨入りを発表した。
近畿、東海ともに、平年より21日、去年より25日いずれも早く、
近畿地方では過去最も早く、東海地方は過去2番目に早い梅雨入りである。
今年は、5月5日に沖縄・奄美地方を皮切りに、5月11日九州南部が、
15日に中国・四国が梅雨入りしている。
関東甲信地方の平年の梅雨入りは6月7日頃と予想されているが、
西日本や東海地方と同様に、いつ梅雨入りしてもおかしくないそうだ。
関東は、統計開始以来、最も早い梅雨入りは1963年5月6日頃。
5月中に梅雨入りした最近のケースは2011年5月27日頃があり、
もし5月中に梅雨入りすれば10年ぶりなのだという。
そんな中、26日だけは晴れて欲しいと願う人は少なくないだろう。
この日、スーパームーンと皆既月食が見られるのだ。
スーパームーンとは、その年に見える月の中で「もっとも大きな満月」のこと。
月の見える大きさは地球と月の距離に関係していて、
この距離が近いほど大きく見える。
スーパームーンと地球の距離は約36万km前後。
ちなみに、地球と月がもっとも遠くなる時には40万km前後まで離れ、
約4万kmの差がある。もっとも遠ざかった月を「マイクロムーン」と呼ぶのだそうだ。
「スーパームーン」と「マイクロムーン」では直径の大きさに14%ほど、
明るさには3割ほどの違いがあるが、
肉眼ではこの月の大小に気が付くことはなかなかできないようだ。
一方、皆既月食は5月26日の夕方から宵にかけて起こり、
日本の広い範囲で月食の過程の大部分が見られる。
日本で皆既月食が見られるのは2018年7月以来、約3年ぶり。
26日の月食について、米航空宇宙局(NASA)は「スーパーブラッドムーン月食」と形容する。
この日の満月は地球への最短に近い軌道上にあって、普段よりも大きく明るく見える。
皆既月食が観測できる場所では赤くかすんで見える見通しだ。
満月は、地平線に近い位置で18時44分過ぎに欠け始め、20時9分頃に皆既食となる。
皆既食となった月は、通常、完全に真っ暗にはならず、微かな赤銅色に見える。
これは地球大気によって屈折・散乱された太陽光が、
地球の本影中に入り込むことが原因で、夕日や夕焼けが赤いのと同じ理由である。
地球大気を通過し月面に届く光は、可視光のなかでも波長の長い光、
すなわちオレンジから赤い光のため赤銅色に見えるからなのだそうだ。
屈折や散乱は、地球大気中の塵や雲などによって影響を受けるので、
皆既食中の月の色や明るさは月食の度毎に微妙に異なるという。
皆既食は20時28分頃に終わり、その後は徐々に欠けた部分が小さくなって、
21時53分前後に部分食が終わり、通常の満月に戻る。
5月26日の天気が気になるところだが、天候が優れない場合は、
インターネット中継などを楽しむのもお勧めだ。
全国各地の公開天文台や科学館等では月食中継を予定している。
なお、月は明るい天体なので曇天下でも薄雲を通して、部分食中の欠けた姿が見える場合もあるという。
私は、曇りの場合でも念のために夜空を眺めてみようと思っている。