浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 9時30分~10時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2020年11月9日 日本の色

立冬を過ぎ、スーパーには早くも鏡餅や注連縄が姿を現した。
3日に投票が行われたアメリカ大統領選挙、現地の主要メディアは、
バイデン氏が当選を確実にしたと一斉に報じた。
これを受けてバイデン氏は、現地時間7日夜、
日本時間の日曜午前、地元デラウェア州で勝利宣言を行った。
「私は分断ではなく結束を目指す大統領になる。
トランプ大統領に投票した人の失望も理解できる。
激しい言葉をやめ、相手を敵視はやめよう。みなアメリカ人なのだ。
今こそアメリカを癒す時だ」と国民の融和と団結を訴えた。
この言葉からもわかるように、分断深まるアメリカをどう結束させるのかが今後の大きな課題だ。
バイデン氏の得票数は4日午後9時時点で7145万票を超え、オバマ氏が獲得した2008年の
過去最多の6949万票を上回った。一方トランプ大統領も7000万票を超え、
16年の自身の得票数6297万票を700万票上回っている。
トランプ大統領支持者が減ったわけではないのだ。
そのトランプ大統領は、バイデン氏の当選確実の報道を受けて声明を発表し、
「大統領選挙はまだ終わっていない」と訴えた。
さらに「私は7100万の合法な票を獲得し、選挙に勝った」と敗北を認めず、
みずからが勝者だと主張している。
トランプ大統領は選挙で不正があったとして、週明け以降、
法廷闘争を本格化させる考えを示していて、今後の対応や、支持者の動向が懸念される。
バイデン氏の勝利宣言の直後、画面は「立皇嗣宣明の儀」に切り替わった。
「立皇嗣宣明の儀」は、秋篠宮殿下が皇位継承順位1位の「皇嗣」となられたことを
天皇陛下が広く内外に宣言される「立皇嗣の礼」の中心となる儀式だ。
儀式の行われた皇居・宮殿の「松の間」には、
天皇皇后両陛下と秋篠宮ご夫妻の他、9人の皇族方が参列され、
内閣総理大臣など三権の長や外国の大使の代表など46人も正装で臨んだ。
はじめに、儀式での装束姿の天皇陛下が、
「皇室典範の定めるところにより文仁親王が皇嗣であることを、広く内外に宣明します」と
おことばを述べられた。
続いて、歴代の皇太子が着用してきた装束に身を包んだ秋篠宮殿下が、
紀子妃殿下とともに天皇陛下の前に進み、
「皇嗣としての責務に深く思いを致し、務めを果たしてまいりたく存じます」と
決意表明にあたるおことばを述べられた。
儀式は、両陛下と秋篠宮ご夫妻、それに菅総理大臣を除く全員がマスクを着用するなど、
感染防止対策をした上で行われた。
特に儀式装束の侍従もマスクをつけ進行をしていたところが平安絵巻の空間で現実を感じさせていた。
宮中松の間では、陛下の装束「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」は、
「赤みがかった黄色」で太陽が最も輝くときの色を表していると聞く。
秋篠宮殿下の装束は「黄丹(おうに)の御袍」濃い橙色で、朝日が昇る色を表現している。
アメリカでは各党のシンボルカラー「赤」と「青」が連日目に入ってくるが、
宮中儀式で、陛下や殿下の御姿に加え、繊細な装束の色に日本文化の「様々な深み」と「安心」を感じた。

日本の色
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立冬の日に
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