浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 9時30分~10時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2020年10月12日 7月から頑張ってます

八王子や浜松町は金木犀の香りが落ち着いた。
前回、金木犀の香りは、一部の虫たちを追い払い、
唯一この匂いが平気なのが「ホソヒラタアブ」という虻だと記した。
虻というと刺されそうで毛嫌いしがちだが、
それは間違った知識が植えつけられているようだ。
ヒトを刺す虻は一部の種で、多くの虻は動物を刺さない。
ヒラタアブは一見、蜂のような見た目をしているが、ハエ目・ハナアブ科に分類される虫で、
人を刺したり噛んだりするようなことはない。
ハナアブの中でもお腹が平たいため、ヒラタアブと呼ばれている。
成虫は8〜10ミリほどの大きさで、花から花へ飛び回って花粉や花の蜜を食べるため、
植物や野菜の受粉を助ける。幼虫の時はアブラムシなどの微小昆虫を好んで食べるため、
畑の益虫として知られているのだ。
それにしても、この虻自然界では怖い存在の蜂の縞模様に似せて身を守るように進化したといわれている。
いわゆる擬態である。
ところで、動物界で縞といえばシマウマ。
シマウマはなぜ縞模様なのかご存知だろうか。
これには説が幾つかある。
有名なのは「草原で天敵から身を守るカムフラージュになる」説。
しかし、シマウマの最大の天敵と言われるライオンは、
シマウマに近づかないと縞模様と認識できないという実験結果がある。
つまり、気配や匂いなどで確認しておりカムフラージュの意味がないようなのだ。
次に「熱を吸収する黒と、反射する白の温度差で空気に対流が出来体を冷やす」説。
アフリカの草原と言えば灼熱。少しでも涼しくいたい知恵というのもわからないではない。
しかしこちら、実際に測ると温度はさほど下がらない。
そんな中、有力とされ始めたのが「虻忌避」説。
ここに出て来る虻は吸血虻。シマウマなどの動物の血を吸って生きる種類だ。
アフリカの草原は吸血虻が多い。
イギリスの研究機関が、馬に縞模様の袋をかぶせ、寄って来る虻の動きを調べた。
すると、縞模様の布に近づく虻はうまく減速できず、衝突したり進路をそらす割合が多かったという。
ちなみに、灰色でもチェック模様でも虻の飛行は上手くいかなくなったという。
虻は牛や馬、人などが呼吸した際に吐き出す二酸化炭素にも反応して集まってくる傾向があると聞くが、
視覚も影響する可能性を推察させる実験だ。
シマウマの模様が虻対策だとするなら、古より動植物に多大な影響を与えている昆虫なのがわかる。
人間界でも「虻蜂取らず」とあるように。
7月から頑張ってます
7月から頑張ってます
虻とまれ
虻とまれ
鮮やかな
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