寺島尚正 今日の絵日記
2020年9月7日 動けない
こちらを記しているのは6日午後6時。
日中雨が降った浜松町の空は、夜に向かい、
海の方から陽を受けた雲や光を失ったものがゆっくり北に進んでいる。
台風10号は、勢力を若干弱めているものの、
大型で非常に強い勢力を保ったまま北上を続けている。
今回の台風で最も警戒が必要なのは暴風。気象庁は午後5時、
台風に伴う風速25メートル以上の暴風域が、
今後九州全体を覆うとの見通しを示した。
台風の中心に近い東シナ海沿岸では平均で秒速30m前後、
瞬間的には50mを超えるような、非常に危険な暴風が予想されている。
10メートル位の風になると、電線が恐ろしい唸り声をあげる。
風の音で眠るのが難しくなるほどの荒天で、
自宅で過ごす場合でも飛来物が窓を壊すなどの影響が懸念される。
暴風の中外に出るのはもっての外だ。秒速を時速になおす簡単な計算方法がある。
「その秒速を4倍して、出てきた数字の1割を引く」である。
前述の最大瞬間風速が秒速50メートル。これを4倍すると200.単位はキロメートル。
200から1割の20を引くと180キロメートル。
新幹線並みの風が吹き荒れる。これらの風から受ける力(風圧)はどのくらいになるのか。
1㎡あたりの風圧の計算は、『風圧(kg 重/㎡)=0.05×{風速(m/s)}の2乗』。
たとえば、大人の体の前面積(風圧を受ける面積)が 1 ㎡あるとすると、
風速 10m/s の風から受ける風圧は、『0.05×10×10=5』、5kg の風圧を受ける事になる。
暴風警報の基準である風速 25m/sでは約 31kg、風速 50m/s では約 125kg の風圧。
立ってはいられないどころか吹き飛ばされてしまう。
鹿児島県内では午後5時現在およそ4万6590戸が停電している。
また台風10号の接近に伴い記録的な大雨が予想されている九州で、
河川の氾濫の危険性が高まっている。
氾濫の危険性が高まっているのは、鹿児島県内を流れる肝属(きもつき)川、川内(せんだい)川、
それに熊本県の球磨川や宮崎県の大淀川など国が管理する九州の6つの川。
7日までの24時間に「100年に一度程度の雨量」と同じか、それを上回る量の雨が予想されている。
また、国土交通省は名前を挙げていない支流などの河川についても氾濫の危険性が高いとしていて、
風や雨が強まる前に避難するよう呼びかけた。
気象庁は今までに経験したことが無い記録的な暴風や高波、高潮、大雨になるおそれがあるとしている。
すでに宮崎県内の雨量は300mm近い。
また、錦江湾や志布志湾など鹿児島県では今夜の満潮時刻と台風接近が近く、
特に高潮に警戒が必要だ。
有明海など九州北部は今の所、満潮時間と台風接近の時間にズレがあるものの、
強い南風による吹き寄せ効果で潮位が大きく上がる危険性はあるという。
台風からの湿った空気が流れ込み、関東でも大雨となっている。
埼玉県秩父や神奈川県相模湖、東京都桧原村では24時間に200ミリを超え、
今年一番の雨量になっている。
台風から離れた関東でも崖や川のそばなど注意が必要だ。
これからも台風は発生する可能性は大。他人事と思わず、避難場所、備蓄品などの確認をしておきたい。