寺島尚正 今日の絵日記
2020年8月17日 珊瑚樹の実
今年のお盆休み最終日の16日も各地で気温が上がり静岡県浜松市で気温が
40.9度に達し、今年国内の観測地点で最も高くなった。
東京都心でも35.4度などと東日本と西日本の広い範囲で猛暑日となった。
連日の猛暑で熱中症の疑いで病院に搬送される人が急増していて、
亡くなる人も相次いでいる。
しばらくは、熱中症に厳重な警戒が必要だ。
肝に銘じていただきたいのは、「熱中症を甘く見てはいけない」ということ。
熱中症は、高温多湿の環境に長くいることで体内の水分や塩分のバランスが崩れて
体温調整機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもることによって、
めまい、頭痛、けいれんなどを引き起こす病気だ。最悪の場合は死に至る。
近年は猛暑と呼ばれる年が多く、
2010年代はそれ以前と比べて熱中症による死亡者数が増加傾向にある。
厚生労働省によると、2018年に日本で熱中症による死亡者は1581人にものぼる。
熱中症は、それだけ「怖い病気」なのである。
「こまめに水分や休憩をとり、屋外ではできるだけ日ざしを避け室内では冷房を使うなど、
十分な対策をとってください。」連日私も放送で呼びかけている。
この水分補給、注意しなければならない点をご存知だろうか。「水中毒」だ。
「水中毒」はその名の通り、水分を摂りすぎることで起こってしまうという。
熱中症予防のためには、水分と塩分をしっかり補給する必要があり、
一見矛盾しているようにも思えるが、専門家の話を記しておく。
「水中毒」とは、過剰な水分摂取によって生じる中毒症状で、
低ナトリウム血症の状態になっているものをいう。
水に危険な毒素が含まれている訳ではなく、水を大量に飲むことでナトリウム、
つまり塩分が血液中に少なくなってしまっている状態を引き起こすのが水中毒だ。
これは汗で塩分が出て行ってしまう熱中症とは違う。
熱中症の場合は、発汗の結果、ナトリウムが汗と共に皮膚表面へ出てしまう。
その結果、血液内のナトリウムが不足する状態が起こる。
水中毒の場合は、血液内のナトリウム量は変わらないが、
水で薄められた結果、低ナトリウム血症となるのだ。
専門家は、「味噌汁にただのお湯を入れれば、味、特に塩味が薄くなるでしょう。」と説明している。
汗をかいて、塩分が少なくなった状態に、水だけを入れるというのは、
さらに薄めている結果となっているわけだ。
水中毒になってしまうことは頻繁にあるわけではないが、
熱中症のため自分の意識がもうろうとしている状態で、
周囲のヒトから水を飲め...と言われてひたすら飲んだ結果、
起こってくることはしばしばあるという。
水中毒にならないためには、こまめな電解質入りのスポーツドリンクの摂取がベストとある。
他に「塩飴」「梅干し」なども効果があるようだ。
弊害として、あまりに高濃度のナトリウムを含む飲み物を摂取すると逆に喉が渇く。
つまり水分を欲しがり、ナトリウムの血中濃度を一定に保とうという働きが起こるのだという。
短時間に2~3リットル以上を飲むと危険。
1時間に100cc程度、コップ半分程度を飲むと、起きている時間で、1600~2000ccの水分補給になる。
ゆるやかな水分補給が改めて大切なのがわかった。
旧芝離宮恩賜庭園、蝉による大合唱の中、
百日紅のピンク、サンゴ樹の赤い実が、
空の青や樹々の緑と素敵なコントラストを見せてくれている。
深呼吸すると、人肌の温い空気が「猛暑」を気づかせた。