寺島尚正 今日の絵日記
2020年4月6日 窓の外から
5日の日曜、都内で新たに143人が新型コロナウイルスに感染していることが確認された。
都内で1日に100人を超えたのは4日の118人に続いて2日連続で、これまで最も多い。
都内で感染が確認された人は合わせて1000人を超えた。
5日午後4時時点で日本の感染確認者数は、3531人。
各地域「死者をこれ以上出さない」「医療崩壊を防ぐ」に全力を挙げている。
心配なのが医療機器不足。
国内では、感染拡大で、重症の患者が増えるのに備え、
メーカー間で人工呼吸器などを増産する動きが出ている。
コーケンメディカルは、福島工場で先月から人工呼吸器を増産。
現在は工場をフル稼働させ、生産量を2倍程度に増やしている。
この会社の人工呼吸器は、主に救急車の車内で使われているが、
肺炎などで肺の働きが弱まった人の呼吸を整えるためにも使えるのだ。
世界的な感染拡大で、会社には海外からも輸入したいという引き合いが急激に増えているが、
国内向けで手いっぱいの状態。
国内メーカーの間では、人工呼吸器のほか、血液中に直接、
酸素を送り込み肺の機能を一時的に代行する
人工心肺装置「ECMO」を増産する動きも出ている。
テルモは、通常の年間の生産台数約100台を数か月で生産できる体制にした。
泉工医科工業も「ECMO」の生産量を通常の1.5倍に増産して、さらなる感染拡大に備え、
企業が対応を急いでいる。
人工呼吸器は全国の主な医療機関に2月時点で2万2000台程度あった。
この時点では、全体の60%は使われず待機状態だったが、
新型コロナウイルスに感染した重症患者が増加し、人工呼吸器が足りなくなるおそれもある。
また、国内で使用される人工呼吸器は海外からの輸入が9割以上を占めている。
世界的に装置が不足する中、国内で確保することが大きな課題。
政府は、人工呼吸器や「ECMO」と呼ばれる人工心肺装置の増産を
メーカーに呼びかけていて、新たに設備投資をする際には補助金を出す方向だ。
一方、国内メーカーからは、大幅な増産のためには部品の調達とともに、
生産のために必要な専門的な知識や経験を持った人材の確保が必要との声が出ている。
これらの課題を何とか解決して欲しいと切に願う。
今回、新型コロナウイルス感染で改めて感じたことは、
地球が「争い」のない世になったとしても、世界が同時に被災した場合、先ずは自国第一。
そこから余力が出来て初めて他国に協力が出来るという現実だ。
いち早く人道的な救援をするためにも、我が国は備えておかなければならない。
国内マスクの7割を中国で製造していたため、運ぶ手段が途絶えた時に、
日本のマスク不足が発生した。
今でもドラッグストアの前には、開店前に長蛇の列。
人工呼吸器などもしかりである。
ウイルスの他、自然災害により、平時が当たり前の感覚で輸入に頼る農産物など、
政府が、そして私達1人1人が、今一度考える機会なのではないか。
医療と農は自足自給ならぬ「自国自給」を目指したい。
移動中、地下鉄の窓が新型コロナウイルス対策で所々開いていた。
車体から出る音がトンネルの壁にぶつかり、
「キリキリキリ」と悲鳴のようだ。
改めて「平時ではないのだ」気を引き締めた。
自分に出来ることは何だろう・・。