寺島尚正 今日の絵日記
2020年2月10日 引き出しより発見物
新型コロナウイルスによる肺炎の拡大を受け、
マスク不足が各地で深刻化している。
関係者によると、年末年始には国内に10億枚の在庫があったが、
新型コロナウイルスの騒動により、1月にはほぼ一掃されたという。
現在は各社が製造したらすぐに出荷している状態で、
どれくらいの量になるのかまだ集計が取れていないという。
街中では「マスク品切れ」の店が目立ち、高値での転売も出始めた。
品切れとなると不安になるのが人の心理。
しかし、専門家は「マスクだけで予防するのは難しい。
過信しないよう」と注意を促している。
マスクの役割や正しい使い方をあらためて記しておく。
そもそも市販されているマスクの主な役割は、
予防というより、既に症状のある人が着けて、
飛沫を周囲に飛ばさないことだという。
WHO(世界保健機関)もマスクだけを使っても感染は防げないとし、
症状のない人のマスク着用は推奨していない。
マスクを着けた人と着けていない人を比べても、
インフルエンザや風邪の発症率に差はないとする声もある。
専門家は、予防には「小まめで丁寧な手洗い」だと強調する。
流水で20~30秒洗い流した後、指の間や爪、
手首もしっかり洗う。
アルコール消毒も有効だ。
外出後はもちろん手を洗い、
外出先ではむやみに口や鼻を触らないよう意識することが大切なのだ。
とはいえ、マスクは全く無意味なわけではない。
近くの人が咳やくしゃみをしたとき、
ウイルスを含んだ飛沫を直接吸い込むのを防ぐと考えられている。
専門家は「人混みや満員電車など他人との距離が近い状況では、
感染のリスクを抑えられる」と指摘する。
では、マスクがないときはどうすればよいのか。
ハンカチやティッシュで代用できるという。
またマスクを着ける目的が予防であれ、
飛沫の飛散防止であれ、
正しく着けないと感染症を防ぐ効果は薄い。
専門家は「なるべく顔との隙間をつくらないで」と話す。
息苦しいからと鼻を出しては意味がない。
最も普及している不織布製のプリーツ型の場合、
鼻まで広げ、ワイヤを曲げて鼻の形に合わせる。
さらに顎の下までしっかり下げる。
外見が鳥のくちばしのような立体型は、形の調整は要らない。
マスクの表面にはウイルスが付いている恐れがあり、
外すときは紐をつまむ。
いったん使ったものをポケットなどに入れ、
再利用するのは避けた方がよい。
マスクの内側や手にウイルスが付くかもしれないからだ。
1日1、2枚以上は使う計算になる。
最近見掛けるポリウレタン製は密着性が高く数回使えるが、
再利用するには丁寧に洗う必要がある。
どのタイプも「花粉用」の表示だけの場合は、
細かい飛沫を防ぎ切れないことが多いのだそうだ。
こんなにマスクが注目されるのは初めてだ。
これから戸棚に眠っているはずの「マスク」を捜してみよう。