寺島尚正 今日の絵日記
2019年10月28日 被害は近くに
低気圧の影響で千葉県内では25日、わずか半日で1か月分の雨が降り、
19の河川で越水するなど氾濫が相次ぎ、土砂災害も相次いだ。
9月9日の台風15号で暴風の被害が多発し、
10月12日の台風19号の影響もうけた。
さらに今回の大雨。被災された方に心からお見舞い申し上げる。
千葉で死亡したのは9人。このうち4人は車で外出していた際に
車内が浸水し、亡くなっていたことが分かった。
長柄町では、冠水した道路に止まっていた車の中で、
80代の男性が遺体で見つかり、
長南町でも、浸水した車の中で91歳の男性が遺体で発見された。
いずれも急激に道路の冠水が広がり、身動きが取れなくなったとみられる。
急激な増水。
千葉県茂原市の駐車場にある防犯カメラを見ると、
25日午後3時ごろにはまだ地面が見える状態だった。
その後水かさは、みるみる増し、
2時間後にはどこが道路なのかさえわからない状態。
車はおよそ1時間で半分ほどの高さまで水につかり、
2時間足らずでほぼ水没。
想像を絶する光景だ。
一方、今回の大雨で、千葉市緑区では2か所で土砂崩れが起き、
合わせて3人が死亡した。
このうち2人が亡くなった千葉市緑区誉田町の住宅は、
土砂災害警戒区域に指定されておらず、避難勧告なども出されていなかった。
土砂災害警戒区域に指定されておらず、自治体の避難の呼びかけもない中で
土砂崩れが発生し、犠牲者が出るケースは、台風19号の豪雨災害でも見られた。
群馬県富岡市では、土砂災害警戒区域に指定されていない
比較的緩やかな斜面で土砂崩れが発生、3人が死亡。
全国の都道府県は、崖や急傾斜地、渓流などで、
斜面の角度や過去の災害の痕跡などをもとに
土砂災害が発生するおそれのある地域を推定し、
土砂災害警戒区域に指定している。
国土交通省によりますと、ことし8月末の時点で全国58万か所余りが指定されている。
多くの土砂災害が警戒区域内で発生している一方、
今回の千葉県や群馬県のような区域外での土砂災害も発生している。
地球温暖化などの影響で雨の降り方が変わっていく中、
これまでの豪雨災害ではみえてこなかった
新たな災害のリスクが浮き彫りになっている。
台風19号の影響で自宅近所の自然公園も遊歩道路肩が一部崩落で通行止め。
災害全てが決して他人事ではないことを痛感している。