寺島尚正 今日の絵日記
2019年9月16日 15号の傷跡
台風15号の直撃から1週間が経つ。
台風が東京湾を進んだ9日月曜、首都圏は大混乱。
鉄道も電力もストップし、16日の時点でも千葉県で電気は復旧せず
南房総市など、午後2時の時点で約78300件軒の電気が戻っていない。
被災された方々に心よりお見舞い申し上げる。
なぜ、ここまで影響が広がってしまったのか。
台風15号は関東に上陸した台風としては過去最強クラスだった。
千葉市では最大瞬間風速57・5メートルを観測。
この暴風のため、経産省は電柱2000本、鉄塔2基が倒壊・損傷し、
停電は最大時で東京電力管内の約93万軒に上った。
東電は当初、11日朝までに停電を約12万軒まで減らす見通しを示していた。
しかし、倒木が想定以上に広がっていたために復旧作業が難航し、
30万軒前後で停電が続いた。
今では見通しの甘さが混乱に拍車をかけたと指摘されている。
今後も台風や地震の直撃が予想される中、私達は何をどう備えればいいのか。
9月になってハイペースで台風が量産されている。
例年は8月に発生が最も多いが、2011年からの8年間では
9月が平均5.25個で、8月の5.0個を逆転。
専門家は、このところの台風の特徴として
日本により近い場所で発生することをあげている。
台風15号も南鳥島付近で5日午後3時ごろに発生し、
9日未明にはあっという間に千葉市付近に上陸。
日本の近くで発生するため、上陸までの時間が短く、
勢力を保ったままの状態でやって来るというのだ。
例年はフィリピンやグアム沖で発生し、東シナ海をゆっくりと北上しながら
1週間ほどかけて日本に上陸するイメージ。
1959年の伊勢湾台風も、9月20日に太平洋マーシャル諸島沖で発生し、
6日後の26日に日本に到達している。
だが、近年は南からではなく、東側から突然来るケースが増えている。
今年は特に日本近海の海水温が平年より2度ほど高く、
より北の位置で発生しやすい。
ということは、再び東京湾にやってくる可能性低いとはいいきれないのだ。
一方で、太平洋高気圧の位置次第では、関西空港を水没させた
昨年の台風21号のような関西直撃もありうる。
発生から上陸までの時間が短いため、備えも難しいのが悩ましい。
台風に加えて、1年中地震にも備えていなければならない。
特に首都圏は、首都直下地震がいつ襲ってきても不思議ではないのだ。
土曜日早朝、いつもの自然公園に行った。
蝉の声は止み、秋の虫たちが夜を引きずっている。
猛烈な風の仕業で樹々が倒れているかと思いきや
枝葉を散らす程度で山は踏みとどまっていた。
そして今年も薄の季節・・。