浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 9時30分~10時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2019年7月29日 晴れ舞台

週末は、各地で祭りや花火大河が予定されていた。
台風6号の影響で、中止としたイベントもあった。
八王子は、風こそ強めだったものの、
花火大会や近所の夏祭りは予定通り行われた。
午後7時。
民謡の調べが重たい風に乗って我が家に届き
昼間が夜にまだ後姿を残している空の中、祭り会場に向かった。
ミンミンゼミが鳴いている会場の公園からは
同時に、しっかり指で摘まめる腹回りが反応しそうな太鼓の重低音が
お出迎え。
暫く歩くと、今ではLEDとなった優しさと若干距離を置く提灯の明かりが
会場で笑っている。
滞在客の半分くらいが浴衣姿。この場所だけ令和というより昭和だ。
あっという間に、童心が眠りを覚ます感じがした。
毎年楽しみにしている焼き鳥店を捜した。
20以上並ぶテントの中から狼煙を上げている所を発見。
祭りが始まったばかりの時間は、甘辛い煙の中10分待ちの行列ができる。
今夜は1時間以上経っているからか、2人しか並んでいない。
1本70円。冷凍なのは以前から知っている。
大鍋に湯を滾らせ、そこに凍った串刺しをどんどん投入。
中まで熱が通った頃、ざるで掬って湯切りをい、ガス火で焼いていく。
初めてその作業を見た時は、軽く眩暈がした。
一流の焼き鳥とは程遠い。
しかし、提灯の明かりと櫓を見上げていると
工程などどうでもよくて、熱々の香ばしい肉の串刺しは、
紛れもなく美味くなるのだ。
値段にしては、肉も柔らかい。何より、食中毒を心配しなくてよい。
10本買って、焼きたての1本を指に挟む。
火傷をしないように、串の先端を口に入れる
たれの旨味が肉の歯ごたえと手を繋ぎ口中を散歩する。
適度な焦げの苦みが追いかけて来る。
ああ、美味い~。
もう1本!を我慢して、家に戻ることにした。
家族が待っている。焼きたてを届けねば。
地元婦人会の踊りの輪が目安の線より外に膨らんでいた。
それぞれが幸せ思う祭りかな
晴れ舞台
晴れ舞台

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