寺島尚正 今日の絵日記
2019年6月24日 夏のザキング
先日起きた山形沖地震、
新潟県村上市で震度6強、山形県鶴岡市で震度6弱の強い揺れだった。
震源は山形県沖の深さ14キロ、マグニチュード6.7。
日本海東縁部ひずみ集中帯と呼ばれるところだ。
今回の地震は、私たちにとって対岸の火事ではないことを記しておこう。
先ず起きたのが18日午後10時22分頃。
一部では停電となり真っ暗。
気象庁は、山形県から石川県にかけての沿岸に一時津波注意報を発表し、
新潟県の新潟港で10センチの津波を観測したほか、
山形県の酒田港、石川県の輪島港などで微弱な津波を観測した。
真っ暗の中の避難もありうるということだ。
加えて一部ではあるが、液状化現象もみられた。
平常ではいられない気持ちの中で避難する際、
液状化で足元にも危険が潜んでいることもありうる。
地震は明るい時とは限らない。
さて、今回の地震、新潟県内ケガ人は重軽傷者合わせて5人、
山形県では、23人がケガをしたと発表されている。
震度6強や弱という強い揺れだが死者が出なかったのは幸いだった。
その理由は「揺れの周期」が関係しているという。
周期とは、揺れが1往復するのにかかる時間のこと。
この周期の長短で影響を受ける場所が変わってくる。
今回の山形沖地震の周期は「0.2~0.5秒」の極短周期。
これは屋根瓦・墓石・ブロック塀が崩れやすいという。
人体感覚も短周期の方が「恐怖」を感じるようだ。
今回は、家屋が概ね倒壊しなかったのだ。
一方で、家屋の損傷を起こしやすい周期は「1~2秒」のやや短周期。
つまり、被害の度合いは「周期の長短」によるもので
「震度6強でも家が壊れなかった!」と一概に安心するのは早いようだ。
一般に古い木造家屋は、震度6弱程度の極短周期地震動に対しては
影響が少ないが、同じ震度のやや短周期地震動に対しては
倒壊する可能性が格段と高くなる。
これは、古い木造住宅の固有周期(最も揺れやすい))が
やや短周期地震動域にあるためで、
1995年阪神淡路大震災での木造住宅の倒壊被害がこれに相当する。
また、3年前の熊本地震もこの周期が活断層真上で起き、
このために多くの木造住宅が壊れたとされる。
さて、超高層建物は、極短周期、やや短周期に対して
問題は少ないが、やや長周期(2~5秒)には、
一般の建物はほとんど被害が無いにも係わらず、
超高層建物では激しく揺れる。
体感的には「グ~ラ、グ~ラ」と揺れるのだ。
東日本大震災の際、震源から200km以上離れた東京は震度5強。
新宿の超高層ビル群が10分以上も大きくゆっくりと揺れた。
2011年3月の東日本大震災で、大地震の原因となる
プレートの「ひずみ」は、一時的に解放されたと言われていたが
それがまた溜まってきていると指摘する専門家もいる。
大地震が起こりやすい状況に入っているというのだ。
首都直下地震、南海トラフ地震・・
太平洋側と日本海側、震源にもよるが
津波の到達時間も全く違う。
日本のどこでも地震は起こる。
近くの災害の歴史を知っておくのも大切だ。
備蓄品に加えて
自分達が暮らす街のどこに、液状化などの危険があるのか
避難経路を含めて確認しておきたい。