寺島尚正 今日の絵日記
2019年5月27日 夏
東京は梅雨前だというのに連日真夏日である。
日本列島は25日(土)には暖気にすっぽりと覆われた。
気象庁によると、26日、北海道佐呂間町では、上空の暖気と
強い日ざしの影響で、39,5度と、観測史上、
5月としては全国で1位の記録となった。
東北や関東甲信でも最高気温が平年を10度前後上回り、
内陸を中心にことし初めて35度以上の猛暑日となった。
「暑いですね~」で済めばよいのだが
厄介なのが熱中症だ。
25日と26日、東京都心で2日連続で30度以上の真夏日となり、
2日間で熱中症により107人が病院に搬送された。
今月、すでに熱中症の疑いで237人が搬送され、
去年の5月1か月間の搬送者数142人よりも95人上回っているという。
なぜ5月にこれほど暑くなるのだろう。
その理由を気象庁は、
中国大陸の上空にある季節外れの暖かい空気が
北日本を中心に流れ込んでくるうえ、
よく晴れることで日射も強くなり気温が上昇するからだと説明している。
5月でこれまでに最も気温が高かった上位3位は、
いずれも平成5年の5月13日で、埼玉県秩父市で37、2度
東京都八王子市で37、1度、群馬県前橋市で36、5度を観測している。
これまでのランキング上位は東日本から西日本がほとんどで、
今回のように北日本でこれほどの高温になることは珍しいようだ。
こうした気温が高くなる時は、フェーン現象が起きているのが特徴。
これは、山越えの暖かく乾いた風が吹きおろすことで、気温が上昇するもので、今回もフェーン現象が加わって記録的な暑さになっているようだ。
ところで、軽度の熱中症の主な症状は、めまい、立ちくらみ、
足がつるなどの筋肉痛、どんどん汗をかく、手足の痺れ、体に不快感など。
そうした症状が見られた際の、応急措置のポイントをお伝えする。
1. 涼しい場所に移動し、あおむけに寝かせる
クーラーが効いた室内など涼しい場所に移動し、あおむけに寝かせる
2. 身体冷却
服を緩め、保冷剤やタオルで首・脇の下・太ももの付け根など太い血管の部分を冷やす。肌に水をかけたり、濡れタオルで拭いたり、あおいだりする。
3. 水分摂取
脱水の治療としては経口補水液がおすすめ。意識レベルが低い場合や嘔吐がある場合は、水分摂取を控える
応急措置をしても症状が改善しない、頭痛、吐き気、嘔吐など中等症の症状がある場合は、病院で受診する必要があると呼びかけている。
さらに、呼びかけへの反応がおかしい、痙攣がある、まっすぐ走れない、
汗が出なくなるなど重症の症状が見られる場合は、速やかに救急車を呼ぶよう勧めている。
体がまだ暑さに慣れていない時期に連日、厳しい暑さが続くため、
こまめに水分を補給するほか、屋外ではできるだけ日ざしを避け
室内では冷房を適切に使うなど、熱中症に警戒しなくてはならない。
国の対策として環境省は、「暑さ指数」をウェブサイトで公開している。
「暑さ指数」は、全国840地点のデータをもとに算出される
熱中症を予防するための指標で、ウェブサイトで公開している。
「暑さ指数」は、危険度が5段階で色分けされている。
最も高い「危険」を示す「赤」の場合は、
運動を原則中止するほか、外出はできるだけ避けることが必要。
また、「厳重警戒」を示す「オレンジ」の場合は、
激しい運動や炎天下での外出を避ける必要を表している。
見上げれば、樹々に降り注ぐ陽光の強さに驚くばかりである。
29日の傘マークが恋しい。