寺島尚正 今日の絵日記
2019年5月20日 苗成長
先週、奄美に続いて沖縄も梅雨入りした。
そして今年も水害に対する心の準備をしておく時期となった。
自然は突然牙をむく。
18日、鹿児島県屋久島町で現地の人も経験がない程の雨に見舞われた。
湿った空気の影響で、鹿児島県屋久島町では18日の雨量が半日で
400ミリを超え、平年の5月1か月分に迫る大雨。
屋久島町では縄文杉を見ようという人たちが被害に遭った。
屋久島町によると、大雨により県道で土砂崩れが発生し、
登山者や送迎のバスの運転手などが下山できずに一時孤立したのだ。
一夜を明かした314人の登山者などが、消防や自衛隊の助けにより
19日夕方に全員が下山した。
雨量が非常に多い屋久島だが
「まさかこんなに降るとは・・」現地の人も驚いている。
この暖かく湿った空気の影響で西日本を中心に大気の状態が不安定になり、
九州南部では20日朝にかけて猛烈な雨が降り、
宮崎県日南市では今月17日の降り始めからの雨量が420ミリを超えた。
平年の5月1か月分が短時間に降る大雨になったのだ。
一方、前線が西日本から北日本へと通過し
22日昼までの24時間に、いずれも多いところで
伊豆諸島で100ミリから200ミリ、
関東甲信で50ミリから100ミリの雨が降るおそれがある。
局地的に雷が鳴り、バケツをひっくり返したような激しい雨が降りそうだ。
また太平洋側を中心に南風が強めに吹き、横殴りの雨になることも予想されている。
街で大雨に遭遇したら、何に注意すればよいのか、調べてみた。
まず原則外に出ない事。
ただし、避難する必要が出た場合、
道路が冠水している場合には、足元が確認できずに転倒したり、
側溝やふたが開いたマンホールに転落したりする危険がある。
出来るだけ2人以上で行動し、傘や長い棒などで足元を確認しながら
避難する。
車の移動にも危険がある。
浸水の深さが30センチに達するとエンジンが止まり、
さらに深さが増すとドアが開けにくくなるうえ、
車ごと流される場合がある。
車が浸水したらすぐに外に出ることが大切のようだ。
避難しようとした時に、すでに浸水が進み、
周辺で土砂崩れが発生するなど避難所に向かうのが危険な場合は、
川や崖から少しでも離れた近くの頑丈な建物に移動すること。
また、自宅にとどまらざるを得ない場合は、最後の手段として、
建物の2階以上や崖や斜面と反対側の部屋に移動することで
安全を確保できる場合もある。
急な斜面から土砂の崩れが発生することはよく知られている。
崖崩れは傾斜が30度以上の急な斜面での発生が多く、
土石流は山の急斜面や河床勾配が15度以上の渓流で発生しやすいと考えられている。
しかし、急な斜面でなくとも土砂災害は起こる。
例えば、土石流は渓流の上流部の急勾配なところから発生するが、
勾配が2~3度のところまで流れ下りる。
すなわち下流の緩い勾配のところでも被害が生じることがあるのだ。
長崎県松浦市の地滑りは勾配が3度という緩いところで起こった。
これからも分かるように土砂災害は急傾斜地以外でも発生する危険がある。
それぞれ異なった特徴があるので、周りの土砂災害の危険について調べてみることが大切だ。
一方、今回の雨でほっとしそうなのは愛知県東部と静岡県西部のようだ。
この地域のダムが干上がっているからである。
雨が少ない状態が続く中、愛知県東部と静岡県西部の6つの市に水を供給する「豊川用水」の最大の水源、愛知県新城市の「宇連ダム」は、
19日午前5時に貯水率がゼロになったという。
これは、昭和60年1月以来2度目。
豊川用水がすぐに利用できなくなる心配はないということだが、
愛知県豊橋市などの6つの市は、引き続き、水道用水、農業用水、工業用水の15%の節水を継続し、水をむだに使わないよう呼びかけている。
「自然は絶えずわれわれと語るが、その秘密を打ち明けはしない。
われわれはつねに自然に働きかけ、しかも、それを支配するなんらの力もない。」
ゲーテ