寺島尚正 今日の絵日記
2019年2月4日 進化系魔滅(まめ)
「鬼は外~、福は内~」
2月3日は節分。
節分とは本来、「季節を分ける」
つまり季節が移り変わる節目の日を指し、
立春・立夏・立秋・立冬の前日に、
1年に4回あったものだった。
日本では立春は1年のはじまりとして特別尊ばれ、
節分といえば春の節分を指すようになっていったようだ。
節分といえば豆撒き。
豆は「魔滅(まめ)」に通じ、無病息災を祈る意味がある。
昔、京都の鞍馬に鬼が出たとき、毘沙門天のお告げによって
大豆を鬼の目に投げつけたところ、
鬼を退治できたという話が残っている。
魔の目(魔目)に豆を投げつけて魔を滅する、「マメ」だらけだ。
豆撒きに使う豆は炒った豆でなくてはならない。
なぜなら、生の豆を使うと、拾い忘れた豆から芽が出てしまう可能性がある。
すると、魔から芽が出る、縁起が悪い。
また炒るは射るに通じるからだ。
近所のスーパーで「柊鰯」を売っていた。
柊の枝に焼いた鰯の頭を刺したもの。
鬼が嫌がる物のセットで発祥は関西と言われている。
近頃では、関西から伝わって来た「恵方巻」が
関東でも浸透してきている。
節分に巻き寿司を食べる風習は、
福を巻き込むという意味と、縁を切らないという意味が込められ、
恵方に向かって巻き寿司を丸かぶりするようになったという。
恵方とは、その年の幸福を司る歳徳神(としとくじん)の
いる方角のことで、その年の最もよいとされる方角。
七福神にあやかり7種類の具が入った太巻きを用意することが多く、
丸ごと1本用意するのは、包丁で縁を切らないように
という意味が込められている。
そして願い事をしながら最後まで喋らずに食べる。
しゃべってしまうと運が逃げてしまうと言われているらだ。
豆撒きは、魔を近づけない。
恵方巻は、福を取り込む。
両方出来れば最強だなあ。
そして、立春。
八十八夜、二百十日、二百二十日とあるが、
これらの日にちは起算日の一日目として立春から数えての日数だ。
春に吹く風で「春一番」があるが、
「立春から春分までの間に吹く」というのも
春一番の条件のひとつになっている。
そして、立春大吉の札。
立春大吉と聞くと、かなり縁起のいいイメージがある。
禅宗の寺院などの門の左右にお札が貼ってあって、
「立春大吉」と縦書きで書かれている。
立春大吉とは、縦書きにしてみると左右対称。
裏返してみても、同じように立春大吉と書いてあるように見える。
かつて鬼が立春大吉のお札が貼ってある門から入ってきて、
鬼が振り返ると、再び立春大吉と書かれているお札が貼ってあるので、
まだ門に入っていなかったと勘違いして門から出ていった
という話が伝わっているそうだ。
こうしたことから厄除けのお札として使われている。
一年の厄払いで節分に豆をまき、一年の初めに立春大吉のお札を貼って、
厄除けの願いを込めるのだ。
「立春や鳩がついばむ昨夜(きそ)の豆」吉村征子