寺島尚正 今日の絵日記
2019年2月11日 2月10日 八王子
2月9日夜、八王子は雪が降った。
4時間ぐらい降っただろうか。
朝起きると景色が白くなっていた。
祝日の日2月11日浜松町。
細かい羽毛の様な雪が辺りを舞っている。
街で1人の若者が目に入った。
グレーのアウンジャケットを着て
世界史の参考書を手に駅近くの壁にもたれて居る。
大学受験真っただ中のようだ。
しかしその瞳は今日の空の色、輝きと距離を置いていた。
順調とは行っていない表情なのである。
私の時が一瞬42年前に戻った。
受験した大学、3連敗。
これまでの努力が水泡に帰したと思うと
内臓がキュ~と締め付けられた。
自信という壁が雲母のように薄く剥がれていった。
視界にいる若者もそんな感覚なのだろうか。
若者よ、最後まで諦めるな!
人生終わったと思っても、まだその先がある。
失望しても歩き続けて欲しい。
心の歩みを止めなければ、止めさえしなければ
夢は続いているのだから。
どうか思い出して。厳しい冬に雪の下で耐える種こそが、
太陽の恵みを受け、春になれば薔薇になる
アマンダ・マクブルーム
いや、もしかしたら、失恋したのかしら・・。
何でもいい、諦めるなよ!
心の中でエールをおくった。
若者の肩に羽根の様な雪が優しく降りた。