寺島尚正 今日の絵日記
2018年12月17日 愛おしい食べ物
「偉大な思想は胃袋から生れる」
こんな名言を聞いたことがある。
人間の原点はまずお腹がくちくなってから。
貴方は、今年どんな食べ物をくちにしただろう。
「今年の一皿」を御存じだろうか。
ぐるなび総研が選定発表する、
その年の日本の世相を最も反映し象徴する料理のことだ。
優れた日本の食文化を後世に遺すことを目的に2014年に開始された。
初回の2014年は、「ジビエ料理」。
農林水産省が6次産業化を推進する一環として、
鹿や猪などの野生鳥獣を食べる国産ジビエの利用促進のための情報発信と資源の有効活用に向けた取組みを展開した。
2015年は、「おにぎらず」。
日本に古くから伝わるおにぎりが握らずにできるという
逆転の発想で新鮮な驚きを伴って受け入れられ、
家庭や流通に食文化革命を起こした。
2016年は、「パクチー料理」。
かつてはエスニック料理における薬味としての存在であったが、
業態を越えて近年主役に転じた。
パクチー愛好家を「パクチスト」と呼ぶ造語も生まれた。
2017年は、17年は「鶏ムネ肉料理」
日本では一般的に、モモ肉が好まれる傾向にある中、高齢化や
健康志向の高まりから、糖質や脂質の過剰摂取を控えてたんぱく質を
適正に摂取しようとする人々が増え、ムネ肉の高たんぱく・低脂肪の特性に
注目が集まった。
そして2018年、今年は、「鯖」
多くの災害に見舞われた一年であり、防災意識の高まりから、
缶詰や乾物、フリーズドライなど非常食を備蓄することの重要性にも
気づかされた。
中でも鯖缶は、魚の下処理が不要なため利便性が高いうえに、
鯖はEPAやDHAなどの必須脂肪酸を多く含み健康効果も期待できることから、その価値が改めて広く認知された。
家庭料理にもアレンジして取り入れられたことで、人々に鯖の美味しさ、
日本の魚食文化の素晴らしさを再認識させるきっかけを作ると同時に、
一時は店頭から姿を消すほどの社会現象を巻き起こした。
「君がどんなものを食べているかを言って見給え。君がどんなであるかを言ってみせよう」
食は大切なのである。