寺島尚正 今日の絵日記
2018年11月19日 1号はまだか
秋も深まり、この時期になると
「木枯らし1号」という言葉を思い出す。
今年、東京は、11月18日の時点でまだない。
東京でいう木枯らし1号とは
気象庁が使う用語で、
晩秋から初冬にかけて吹く強く冷たい風を木枯らしという。
定義は、東京は10月半ばから11月末にかけてで、
風向は西北西から北、最大風速はおおむね8メートル以上。
木枯らし1号が吹くことで、東高西低の冬型の気圧配置になり、
冬が到来するわけだ。
対象地域は、関東地方(東京)と近畿地方(大阪)のみ。
台風と違って、木枯らし2号、3号を発表することはない。
「木枯らし1号が吹いた」と聞くだけで、
本格的な冬がやってくるのだなあ、と感じる。
最近の木枯らし1号を調べてみると
東京は
2013年 11月11日
2014年 10月27日
2015年 10月24日
2016年 11月 9日
2017年 10月30日
木枯らし1号の早い記録、東京は1988年の10月13日。
東京の最も遅い、つまり「木枯らし1号」が
11月いっぱいに吹かなかった年は
1977年と1979年。
過去20年で定義内に収まった最も遅い日は
東京地方 2007年と2012年の11月18日。
つまり今日だ。
「木枯らし」という言葉は「木を枯らすほどの強い風」という意味で
昔から民間で使われていたようだ。
「木枯らし」と言って思い出すのは「木枯らし紋次郎」
1970年代に放送された、股旅ものドラマだ。
なぜ「木枯らし」と呼ばれたのか?
調べてみると、紋次郎が何時も銜えていた楊枝にある。
トレードマークでもあり、時に悪者を退治する楊枝。
その楊枝が風に吹かれてヒューヒューと鳴り、
まるで木枯らしのような音をたてることから
この名で呼ばれるようになったそうだ。
私は、てっきり紋次郎の呼気が木枯らしの様な音を
たてているのだと考えていた。
今週は冷たい風が吹く気配もあるという。
「あっしには関わりのないことでござんす」
と言ってしまえばそれまでだが、
「今年も吹かないかなあ」
例年ある物がないというのは、何か寂しいものだ。