寺島尚正 今日の絵日記
2018年10月29日 新宿の秋
8年ぶりに中学の同窓会があった。
正式名称は、「杉並区立中瀬中学24期同級生の会還暦記念同窓会」
10年前「50歳になったから集まってみようよ」
幹事をしてくれている仲間から連絡があった。
「みんなどうなっているのだろう・・」
頭の中はそんな興味で一杯になった。
「私でよければ」と司会を引き受け、盛り上がった。
その2年後にもう一度集まった。
不思議なもので、初回の記憶は強烈だったが
2度目の会は、「あれ、やった?」位に薄れていた。
そして10月27日土曜日
還暦を迎えた42人の仲間たちは
都庁前にある、すき焼き「今半」に集まった。
同窓の高岡君が経営している店だ。
会場に仲間が入ってくるなり
「おお!○○君!久しぶりだなあ~」
先に着席している仲間から歓声が起こる。
私は今回も司会を担当。
会の趣旨を話してから
同窓会会長挨拶、乾杯そして歓談という流れだった。
美味しい料理を口に運び始め、ビールを2杯くらい飲んだころ
1人ずつの近況報告が始まった。
皆、様々な職業についていた。
教師、アパート経営、医師、税理士、
会社経営で来年選挙に出馬する人等など。
サラリーマンは「定年」迎え
フリーターで余生を過ごそうとしている友もいた。
60ともなると「健康」の話題も多かった。
高血圧、人工透析、脊椎管狭窄等、重症な友もいる。
そんな仲間のスピーチを、皆心の底から心配し皆聞き入った。
中学時代の、今より純真だった自分たちに戻っていたのだ。
「あのころは誰が好きだった」
「俺、お前の隣に机あったよな?」
話す友の表情は中学生に戻っている。
校歌を歌い、42人で記念撮影をした。
あっという間に2時間が過ぎた。
結びには、幹事の皆に拍手をして解散となった。
正直いって、皆を覚えていたわけではなかった。
でも、あの時、同じ中学で、同じ校舎で
同じ先生に教わり、同じ給食を食べたことは
紛れもない事実。
それだけでも立派に「縁」がある。
そして、今夜、また話が出来た喜び。
出席してよかった・・
そんな温かい気分で電車に乗った。
ショートメールが来た。
幹事の柴崎君からだ。
「いつも司会ありがとう。
みんな寺ちゃんと同級生だという事
誇りに思っています。
この道に倒れて悔いはなし。
お互いに頑張りましょう」
友よ!元気で。俺も頑張るから。
天井を必死に睨み続ける。
車内の風景が滲んで仕方がなかった。