寺島尚正 今日の絵日記
2018年10月9日 風が落としたもの
八王子、いつもの自然公園。
歩道は、台風24号に無理やり折られた小枝に覆われていた。
枝の白い傷口を見れば、
樹々の撓りを上回る強風が吹いたのがわかる。
山もやられていた。
そんな長雨や台風の影響で、
白菜や人参を始めとした野菜が値上がりしている。
農林水産省によると、卸売価格は4日の時点で、
人参と白菜が平年の約1.7倍に上昇、葱が1.6倍、
胡瓜とピーマンがおよそ1.3倍などだ。
これは、主な産地になっている長野や北海道を中心に
長雨や台風などの影響で出荷量が減ったことによるもの。
さらに台風24号の影響で、関東周辺などで塩害や強風による被害もあり、
今後これらの地域で生産される野菜の出荷量が落ち込み、
値上がりすることが懸念されている。
一方で、今年はキノコが豊作になるらしい。
この夏は高温で雨が多く、キノコが多く発生する条件が整っているからだ。
キノコの値段が安くなれば嬉しいし、
キノコ採りが楽しみという人もいるだろう。
しかし、手放しでは喜べない。
長野県ではキノコ採りで山に入って遭難し、死亡する人が相次いでいる。
今年8月以降、今月4日までの間に、キノコ採りで15人が遭難し、
このうち8人が死亡している。
原因の多くは、斜面から転落したもの。
警察は、キノコ採りに出かける人が今後も増えそうだとして、
山には1人で入らず、急な斜面は歩かないことや、
行き先や行動の予定を家族に伝えることなど注意を呼びかけている。
また、先月には三重県で誤って毒キノコを食べたと見られる男性が
死亡している。
毒キノコによる食中毒は、死亡したケースも含めて
この1か月余りに全国で12件も起きている。
消費者庁は、食用のキノコと間違えやすい毒キノコを実際に集めて
異例の注意を呼びかけた。
自然公園にも今年はキノコをよく見かける。
ロシアには「キノコと名乗ったからには籠にはいれ」という諺がある。
自分からキノコであると名乗ったのだから、
自分からキノコ採りの籠に入りなさい、
一度始めたからには、最後まで責任をもってやるべきという意味のようだ。
ロシアでは、主体をキノコに例えるほど、キノコはメジャーなのか。
毒が無く、有益なキノコだけ
「地球」という籠に入ってくれれば・・。