寺島尚正 今日の絵日記
2018年6月25日 あれから1週間、大阪北部地震
今月18日に大阪府北部で起きた震度6弱の地震
大阪府災害対策本部や総務省消防庁などのまとめによると
24日時点、大阪府内で5人が死亡したほか、
大阪や兵庫など2府3県で413人がけがをした。
亡くなったうちの2人は、倒れたブロック塀の下敷きとなった。
また、被害を受けた家屋は
これまでに関西の2府2県で、少なくとも6792棟となっている。
内訳は大阪府が6235棟、京都府が552棟、奈良県が3棟、兵庫県が2棟。
22日の金曜、放送終わりで高槻・茨木へ向かった。
新幹線からJR京都線に乗り換え2駅3駅はいつも通りの景色。
それが高槻駅手前になると車窓からの風景に青いものが増える。
屋根を覆う青のビニールシートだ。
高槻駅で下車。
ホームの屋根の一部に穴が開いている他は
大地震があったとは感じない。
改札を出る。
目の前にはレディースショップ、たこ焼き店など飲食店が
おしゃれに並ぶ。
構内にある観光案内所にいた係の女性に話を聞いた。
「地震があった月曜は、構内で漏水や蛍光管がぶら下がったりしました。
この事務所も中はガチャガチャでした」
やはり被害はあった。
その後タクシーに乗り、被害箇所を見て回った。
水道管破裂で噴水状態となったコンビニ前は
応急処置が施され、頻繁に車が往来。
所々、青いビニールシートが屋根にかかっている。
50代の運転手さんが語る
「あの時(18日朝7時58分)ハンドル握ってました。
急にハンドルをとられそうになったのです。
グワングワン!という感じ。
初め、車に異常があったと思いました。
冷静になって電線を見たら、ブランブラン!
それで地震だってわかりました。
十数秒かなあ、おさまってから、緊急地震速報が来ました。」
直下では、残念ながら速報は間に合わないのだ。
「ブロック塀が倒れて亡くなったのは問題ですよ。
でもそれとは別に、見てください!
崩れている家は、見当たらないでしょ?
それと、屋根が壊れたのは、
見る限り日本瓦の家です。
日本瓦が悪いとは言いませんが、
年季の入った家にはやはり重いのでしょうね。
東京にもあると思うけど、
対策した方がいいと思いますよ。」
震度5強から6弱を見た。
駅の近くを歩いていた60代位の女性に話を聞いた
「私は、マンションの3階で揺れを感じました。
駅の反対側の丘陵地なのですが
地盤の固いところなので、家の中も壊れた物もありませんでした。
揺れにもびっくりしましたが、デマにも驚きました。
娘が別の所に住んでいるのです。電話が来ました。
お母さん、お母さんの辺り、1時間後に断水だって!
バスタブにお水入れておきなよ!
信じかけましたが、よく考えてみたら、そんな時は
広報車が来るはず、と考え直したんです。
実際、断水はしませんでした。
大切なのはやはり、冷静になることですね。
もっとも、ガスはしばらく止まりましたが」
路地を歩いていると
ガスと書かれている腕章を巻いた関係者。
2人から3人でグループとなり、汗を拭き拭き一軒一軒確認をしていた。
路地を右に折れた。
そこには、築50年位だろうか、
屋根をビニールシートで応急処置してもらった80代の白髪の女性がいた。
処置をした、左耳にピアスをした灰色のつなぎを着た若者に
「この前の雨で瓦壊れてるの気付いたんよ。
怪我せんでよかった。でも、明日からの雨考えると心配やわ。」
「おばちゃん、何かあったら電話して。力になるから」
「おおきに」疲れた声が3メートル四方に届いた。
女性は、若者の乗ったトラックをずっとずっと見ていた。
その目は、明らかに不安を抱えている。
地震は不意に襲ってくる、可能な限りの準備をしなければ、そう感じた。