いつもの自然公園。
鳥の囀の向こうから、 軽快な音が聞こえた。
麓について、ああ納得。
小学校の運動会の音楽だった。
校庭を見ると、子供たちが紅白の大玉を転がしている。
今もあるのだなあ、大玉送り。
もっとも、大玉の材質が変わったようだ。
転がる大玉がゴム製だろうか「ビヨンビヨン」とたわんでいる。
今から約半世紀前、私の頃は、竹で骨格を作り、
それに紙を張ったモノだったと記憶している。
学校の運動会といえば、どんなシーンを思い浮かべるだろうか。
騎馬戦や徒競走、お昼の弁当も記憶にある。
昼ご飯を食べ過ぎて、午後のやる気が極端に落ちた思い出も。
運動会の主役は、勿論子供達。
一方で社会の変化とともに、運動会の内容や演出も
様変わりしていると聞いた。
運動会で時短が進んでいるというのだ。
地域によっては運動会は午前中だけの開催と聞く。
理由はいくつかある。
5月といっても暑い。
そんな時、長い時間屋外にいれば児童が熱中症になる恐れが。
保護者に場所取りの負担がある。
共稼ぎの親も多い。
では、どうやって午前中で終わらせるのか。
まずは、開会式を20分ほど早める。
次に、すぐに全校児童が参加する競技から始める。
競技の数も減らす。
競技や演技の合間の時間も少しずつ短くし、
運動会を昼前に終わらせる。
そして昼ご飯は、各家庭に委ねる。
一方、競技とは別に、外国籍児童に対応するため、
運動会の演出を変える学校も出てきているという。
中には運動会で、子どもたちに母国語で種目などを紹介してもらう
学校もある。
英語、中国語、韓国語、タガログ語、ロシア語。
そんな話を思い出しながら大玉送りを眺めていた。
その場面で流れていた音楽。
50年前、私が耳にした 天国と地獄ではなく、
ダンシングヒーローだった。
時は流れているのだ。
皆んなの想い出