寺島尚正 今日の絵日記
2018年5月21日 横糸!何処行った?
緑豊かな東京都八王子市に住み、この夏で20年が経つ。
当初はペットを飼うなど考えたこともなかった。
しかし、住み始めて8年後、
息子が梅雨時に公園の茂みから補虫網で子猫を掬ってきた。
掌に乗るくらい小さく、雨で体温を奪われ、
小刻みに震えている動物と暮らすことに反対する家族はいなかった。
猫は、その日から私達家族の中心となり
姿が見えないと、「あれ、また脱走した?」
などと、絶えず気にされてきた。
その一方で、家中の壁をガリガリ引っ掻き
壁紙の多くが、日焼けした後の皮膚の様にボロボロ。
だから「ナツ」という名前になったのではないが・・。
もう一つ、猫のやらかすことがある。
夏場、我が家の庭から「アブラゼミ」が数多く羽化する。
彼等の初飛行は、殻から出て3メートル程にある
我が家の2階の網戸。
細かい網目が、蝉には足をかけやすいと見える。
猫はそれに気づくと、息を殺して近づいていく。
そして、狙いを定めて網戸にとまっている蝉に爪を出す。
「ジジ~何すんだ~」蝉が飛んでいく。
猫は青くなり始めた朝の少しヒンヤリした空を眺める。
その連続で、蝉と爪との間にあった網戸が壊れていった。
替えるのが億劫で、シールを張るなど何とか使ってきたものの、
もう限界。
網の横方向の繊維が脱落し、しらたきのすだれ状態。
今度の夏には、蚊を防ぐ仕事がどうしても無理な有様だ。
蚊には刺されたくない。
インターネットで、網戸の張替えを学び
猫対策用の強めの材料や道具をそろえた。
朝5時に起きて実行。今朝に限って空気がヒンヤリだ。
網戸枠の脱落防止装置を緩め、枠から外す。
一階玄関外に運んで作業に取り掛かった。
事前予習が功を奏し、20分で張替え完了。
誰かに自慢したかったが、家族はまだ熟睡中。
新しくなった網のにおいを、しきりに猫が嗅いでいた。
猫よ、お前のお蔭でまた一つ経験を重ねることが出来た、有難うね。