弥生、三月。
雛祭も過ぎ、次なるイベントはホワイトデーか。
街で咲く梅が綺麗だ。
仄かな香りを漂わせ、寂しかった枝が今では賑やか。
そこにヒヨドリが降り立った。
蜜を吸っているのだろう、
ワイルドに花びらを散らしながら
細かい嘴の動きで、エネルギーを貪っている。
一見乱暴そうだが
その貪りのお蔭で梅は受粉が進み実を結ぶ。
世の中には
梅の命があり
ヒヨドリの命があり
そして梅の実を食らう、人の命がある。
限りある命。
それをどう運ぶのか、
世の中は、皆で生きている。
四季折々
様々な命のリレーがある。
形あるもの