寺島尚正 今日の絵日記
2017年11月20日 この花はどちらでしょう
伊豆諸島・大島では、早咲きの椿が花を開いたという。
「東京の街中にも咲いているよな?」
植物に詳しい友人に居酒屋で尋ねた。
「あれは山茶花だろ」が咲いている。
この時期、しっかりした緑の葉の間に
主に赤い花をつけている木をよく目にするが
これは「椿」なのか「山茶花」なのか。
その話題で、ホッピー2杯お替りをした。
翌日調べてみることにした。
どちらも同じツバキ科ツバキ属の植物で、花や葉の形もよく似ている。
椿と山茶花を見分けるためには、
花そのものの色や形より、
開花時期や葉、そして花の落ち方がヒントとなる、とある。
まずは開花時期。
山茶花の開花時期は10?2月。秋から真冬にかけて咲き、
椿よりも楽しめる期間は短め。
そういえば、童謡「たきび」にも山茶花が出てきた。
「さざんか、山茶花咲いた道?」
秋から冬への変わり目に咲き始めるのが山茶花だ。
椿は12?4月に開花。
ちょうど真冬の季節に咲き始め、春まで楽しめる。
葉の形。
これはよく似ている。
よく観察すると違う点がいくつかある。
1つは大きさ。
椿の葉は5?12cm。
山茶花の葉は長さが3?7cmあります。
つまり、山茶花の方が一回り小ぶりです。
また、椿の葉はワックスがかかったように艶々としている。
山茶花の葉は縁のザギザが目立ち、表面に艶はない。
個人的に一番わかりやすいと感じたのは
花の散り方。
椿は花の頭ごとボトッと落ちる。
その様は縁起が悪いとされ、
江戸時代には武士たちに敬遠されたという。
山茶花は花びらが1枚1枚パラパラと散ります。
木の下に花びらが幾つも落ちていれば、山茶花だ。
ただし、品種改良により、
開花時期や散り方が似ているものもあるらしい。
その中でも、決定的に違うのは実に毛があるか無いか、だ。
椿の実はツルツルしているが、
山茶花の実は毛がある。
いずれにしても
椿と山茶花は古くから人々に親しまれ、
真冬に咲く数少ない花。
道路沿いの植栽や公園の花壇で見かけることも多い。
赤や白の花を見つけたら
どちらだか、観察してみてほしい。
それだけで、植物への目が変わってくるはずだ。