寺島尚正 今日の絵日記
2017年8月14日 平和なひととき
旧芝離宮恩賜庭園に行った。
お盆休みで都内は空いている。
東屋で終戦記念日を考えた。
72年の月日が流れようとしている。
今年も戦没者追悼式が営まれる。
あなたは「終戦の日はいつですか?」
という問いに、どう答えるだろうか。
10人中9人は「8月15日」と
答えるだろう。
ある本を読む前の私ならば、
間髪おかずにそう言ったに違いない。
その本は
「誰も知らない憲法9条」潮 匡人著 新潮新書
この中に「本当の終戦記念日はいつ?」という項目がある。
日本は、いつ、いわゆる太平洋戦争で降伏したのか。
小学校のいくつかの教科書は「8月15日」と明記し
そう教えている。
大多数の日本人はそう思っていて当然だ。
ところが、
国際法上、昭和20年8月15日も、その翌日以降も
いわゆる太平洋戦争は終わっていない。
8月15日は、ポツダム宣言を受諾すると
国内で公表された重要な日であって
それ以上でもそれ以下でもないとある。
先にポツダム宣言という申し込みがあり
ポツダム宣言受諾を決めたのは14日。
そのことは全世界に公表されていた。
現にアメリカでは8月14日に日本が降伏することが報道され
その日にトルーマン大統領はポツダム宣言の内容を国民に説明。
日本がそれを受け入れたことを告げ、
対日戦勝記念日は9月2日の降伏文書調印を
見届けた上で布告するとしていたそうだ。
14日に受諾決定を知らなかったのは
ごく一部を除く日本人だけだったようだ。
ということは
仮に、ポツダム宣言受諾の意思表示した日を
降伏と呼ぶのなら14日だし
正式に日本降伏文書に調印したのは9月2日だ。
東京湾に浮かぶアメリカ戦艦ミズーリ甲板上の出来事である。
午前9時20分、調印式の終了が告げられ
即時に文書の効力が生まれた。
私達は8月15日を終戦として語り継いでいる。
その理由の1つに、
玉音放送がラジオから流れた
記憶の強烈さとも言われている。
それはそれとして
「世界からの視点も知っておく必要がある」
藤棚に吊るされた陶器製の風鈴が造る
涼やかな音色を聞きながら
改めて平和を思った。