寺島尚正 今日の絵日記
2016年11月21日 物想いの秋
紅葉に目を奪われる時期となった。
秋も深まり紅葉前線が南下してきている。
街中では、イロハモミジ、トウカエデ、そしてイチョウ。
年に一時のことなので、紅葉の色付きの仕組みを忘れてしまう。
調べなおしてみると
夏から秋にかけての最低気温や降水量、そして日照時間と関係がある。
最低気温が8度以下になると色づき始め
5度以下になると急速に進む。
紅葉までに降水量や日照時間が十分であれば色づきがよい。
また日照時間などが少なすぎたり、猛暑や台風などで樹木に活力がなくなっていると、葉先から枯れて落ちてしまう。
近年色づきはあまりよくないような気がする。
温暖化の影響か。
さて、色づきの仕組みである。
大雑把にお伝えする。
春から夏にかけては光合成を行うために青々とした緑の葉
夏の強い日差しは
光合成をさかんにするので
植物が成長するために必要な栄養をたくさん作るが
秋になって日差しが弱くなると
光合成によって作るエネルギーが少なくなる
そうなると、光合成で得られるエネルギーよりも
葉を緑に維持する方がエネルギーが多くなり
そのまま冬を迎えると
エネルギーが足りなくなるので
葉を落として余分なエネルギーをカットするのだ。
まず、幹本体が越冬するために、葉を散らす(落葉樹)
葉には「離層」が起きる。
これは、葉と枝の間に離層(切れ目)ができ
水や栄養を運ぶ管が閉ざされるのだ。
残酷なようだが本体が生き残るための策だ。
そして葉は色づいていく。
黄葉は
葉の中の葉緑素が分解され、
元々葉に含まれていた黄色の色素(カロチノイド)が浮き出す。
紅の葉は
葉にたまった糖分が使われて赤い色素(アントシアニン)ができ
赤く色づく。
言葉を発しない樹木ではあるが
毎年冬支度に取り掛かっている。
スーパーをのぞくと、鏡餅が積み上げられていた。
あっという間に今年も行き過ぎる。
ポケモンGOもよいけれど
自然が織りなす風景にもっと感動したいものだ。