寺島尚正 今日の絵日記
2015年11月30日 覚えていますか?
所用で、中央本線の臨時列車に乗った。
小さい頃から乗り物好き。
詳しくはないが、バスでも電車でも先頭に乗る。
そして、運転士の気分で前を見る。
暗くて殺風景な地下鉄都営大江戸線も
前照灯が映し出す前方コンクリートに敷かれた線路を見るとワクワクする。
近頃列車に乗った方は思い出してほしい。
通勤系と違って、ドアは列車の前後。
そこから乗り込む。
そして、自動ドアか、ドアに触れると扉が開く。
座席に座る。
リクライニングは、自分が許容範囲中、倒したい角度でぴたりと止まる。
トイレの洗面所も冷水温水が調節できる。
今回私が乗車したのは、私が高校時代に乗った列車だった。
車掌が開けるドアに続き、車内に入るドアが手動。
ノブを押し下げて扉がスライドする。
座席のリクライニングは、小刻みに傾かない。
そして、トイレ。
腰掛型ではなく、しゃがみ型。
足踏みペダルを踏み込むと、ブルーの洗浄液が流れる。
洗面所は水しか使えない。
薄っぺらな石鹸が置いてある。
車両はおんぼろに近づいていた。
でも懐かしさが多少の不便さを上回っていた。
まだ残ってくれていたのか・・・・。
自分の心も旧型になっているのだろうか。
そしてこの車両を、私のように懐かしい気持ちで見守る人の数は
どのくらいいるのだろう。