寺島尚正 今日の絵日記
2015年1月13日 本ものはいい!?
先日、無性に寿司が食べたくなった。
新聞記事で、こんなくだりを読んだからだと思う。
「アメリカの食文化は日独伊という戦時中の枢軸国に占領された」
何処に行っても、すし屋、ハンバーガー店、ピザ店がある。
これは、作者が半分冗談とことわっている。
しかし、妙に納得。
そういえば、寿司、最近食べていない。
たまにはいいかな。
近所の「すし屋が始めた海の丼」持ち帰り専門店をのぞいた。
70種類はあるメニュー。
何にしようか・・・きょろきょろしていると、
壁に「おすすめ!」の文字。
緊急入荷!本マグロ丼。数に限りあり。600円。
他の品は500円プラス消費税。
たった60円プラスで「本」がつく!
「本マグロ丼ありますか?」
カウンターの向こう
小沢一郎氏の、板さん風の白衣を着た60代の男性に声をかけた。
その板さんが答えるものと思ったら
さらに奥のおばちゃんに小沢さんが聞いた。
「本マグロある?」
「あと1人前ありま?す」
板さんが、「あんたついてるぜ!」眼で語った。
「お、お願いします」すかさず注文。
ものの3分で出来上がり!
すると、後ろのおばちゃんが言った。
「これでしまいだから、少し多めに入ってますよ」
小沢さんがまたにやりとした。
その眼は
「おいおい!お前はダブルでついてるぜ!まいったな・・」
小走りで部屋に戻り、蓋を開けた。
マグロがつやつやしている。
これは違う!気がする。
そして口に運んだ。
うお?!口中温度でマグロが融けていく。
上品なうま味が口の中を泳ぐ。
永遠に味覚として留まっていてほしい気持ちと
早くエネルギーに取り込みたい肉体の要求がせめぎ合う。
「ゴク」
5回噛むか噛まないうちに喉を通過した。
「あ?行ってしまった・・・」
すかさず、次の赤身を口の中に。
美味しいものは、幸福感をもたらす、
しみじみ思った。
でも「本」物かなあ。