寺島尚正 今日の絵日記
2014年9月8日 実り
世の中、知らないことだらけだ。
ふと、カレンダーを眺めた。
9月8日に「十五夜」とある。
「そうか、月曜は満月か・・・お月見は出来るのかな・・」
「ん?」
翌9日の欄に「満月」と記されている。
「あれ?十五夜って、満月の事ではないの?」
調べてみた。
違う。
私が理解した範囲でお話しする。
先ずは、太陽暦と太陰暦の違い。
今、使われている暦は、太陽の動きを基に計算された「太陽暦」。
一年は365日か366日。
太陽の動きを基にしているので、毎年同じ月の同じ日の頃には大体同じような気候になる。
一方太陰暦は、太陽の動きではなく、月の動きを基に計算して作られた暦。
「新月」になる瞬間を含む日が、各月の1日(ついたち)になる。
月はおよそ29.5日で満ち欠けを繰り返すので、
1ヶ月の日数は29日か30日となり、1年の日数はおよそ354日になる。
そのままにしておくと、季節がずれていき、
生活などのカレンダーとして使うことはできない。
そこで太陽の動きを基にした1年間を24等分した
「二十四節気(「立春」とか「春分」とか「夏至」など)」というものを作り、
「太陰暦」と組み合わせて、一定の規則に則って1年を13カ月とする年を設けることにした。
「太陰太陽暦」と呼ばれるもので、日本でも現行の「太陽暦」が採用される前には、この「太陰太陽暦」が使われていた。
いわゆる「旧暦」と言われるものがこれである。
一定の規則に従ってほどよいところで1年を13カ月とするので、「追い越される」ことにはならない。
さて、十五夜とは旧暦の8月15日の事。
現在の暦、太陽暦(グレゴリオ暦)の2014年の十五夜は9月8日。
満月ではない。
何故か・・・。
満月とは太陽と月の黄経差が180度となる瞬間。
またはそうなる夜に見える月。
十五夜とは、旧暦の十五日目の夜。
特に旧暦八月十五日に見える月が中秋の名月と呼ばれる。
一日が必ず新月で、三日に見える月が三日月。
十五夜は、あくまでも新月を一日として十五日目の夜というだけなのだ。
新月から満月までの日数は平均で約14.76日。
月の軌道が楕円である(新月?満月になる日数の方が短かったり
満月?新月になる方が短かったりする)ため、
十五夜ではほぼ満月に近い月になるが、満月になるとは限らない。
ずれてしまうのだ。
「十五夜」はいわば「暦の用語」
これに対して、「満月」は「天文学の用語」なのだ。