寺島尚正 今日の絵日記
2014年8月4日 祭りだ!
今年も八王子まつりを見物した。
浅草・三社祭とは趣を異にし、
多くが担ぐ神輿ではなく、2本の太い綱を町民が引く山車(だし)である。
神輿も山車もそれぞれの良さがある。
山車の良さは、老若男女が皆で綱を引くこと。
力があろうと無かろうと、100人近くが絆で結ばれる。
祭り半纏を身にまとい、そこには一体感が生まれているのだ。
羨ましい思い。
山車の上では、指示役の若者が、町名入りの提灯を誇らしげに掲げる。
滅灯した信号をくぐる際はゆっくり綱を引く。
そして腰を屈めて信号をくぐる。
非日常の光景。
山車前方には小さな舞台が設えてあり、
町会ごとに、踊りが違う。
剽軽なひょっとこが身をくねらしたり、
獅子舞やおかめ、白狐が舞う町もある。
舞台脇には太鼓・横笛・鳴り物がリズミカルに演奏する。
驚くのは、演奏者が皆若い。
下は中学生から上はせいぜい40代前半。
こうやって、伝統文化の継承がなされているのだと感心する。
日頃の稽古は大変だったろうが、今は活き活きと輝いている。
山車の後ろに給水車が続き、引き手のケアをする。
そこには長老の風情をした恰幅のよい白髪頭の男性がついている。
殿(しんがり)を務めているのだ。
皆を見守るその目はとても優しい。
「今年も山車が出せた達成感」と
「後輩たちがしっかり育っている安ど感」
そんな表情だ。
今年も祭りが行われた。
若者たちは心地の良い疲労感と自信を得、
そして、先輩から、幾多のバトンを受け取った。
見物した私も元気を貰った。