寺島尚正 今日の絵日記
2013年8月5日 甲州街道占拠踊り
8月2・3・4日と八王子まつりが行われた。
甲州街道の一部を通行止めにして、土曜日に民謡流し、
18台の山車巡航などが行われた。
江戸時代から続く市街地の氏子を中心とした山車祭り。
八王子に越してきて、偶然遭遇した祭りで、虜となった。
それまでは、祭りといえば、神輿を想定していた。
八王子は、神輿に加えて、山車なのである。
何と言っても山車の魅力は夜の巡航だ。
4トンを超える山車を、町内会の老若男女が引く。
メインの山車の後ろには、ミニ山車が連結されている。
そこには引手用の水分や食料が乗っているのだ。
山車の下には4つの車輪が付き、発電機が2機。
高尾山がシルエットとなり、山の端が橙色になった頃、
山車に掲げられている提灯や電飾に明かりがともる。
これが何ともいい。可能な限り蝋燭の炎に近い色だ。
山車にはミニ舞台が存在する。そこは狭小で、
5人も座れば身動きが取れない。
しかし演者にとっては無限の広さがあるようだ。
この日のために稽古を積んだ、小学生をはじめ、中高校生、
社会人が、入れ替わりで、面を着け、踊り、横笛、太鼓、鐘を
鳴らす。面は、白狐、獅子、ひょっとこ、おかめ、タヌキなど様々。
面によって、動きが神格化したり、滑稽になる。
山車同士が出っくわすと、一時引くのを止める。
そして両の山車を可能な限り近づけ、激しく演技合戦。
一層、太鼓の音は大きくなり、面を着けた演者の
動きが激しさを増す。
一方、引手の頭同士は笑顔で挨拶を交わし、晴天を喜び合う。
演者も引手も法被姿。周りのビルなどの風景を消すと、
はるか古(いにしえ)が、目の前に蘇っている。
伝統文化の希薄化が心配される昨今。
真剣に務めを果たす若者の姿を見て、
熱いものが込み上げてきた。
今から、もう来年の祭りが待ち遠しい。