寺島尚正 今日の絵日記
2013年7月8日 七夕の夕陽
梅雨明けである。
7月6日、関東甲信地方が梅雨明けしたとみられると
発表があった。
平年より15日、去年より19日早い。
梅雨明けと同時にセミも鳴き始めた。
七夕前に梅雨が明けるといった記憶はほぼない。
新暦の七夕は梅雨時なので、牽牛と織女が
年に一回天の川を越えて出会うシーンを見たことがない。
もっとも、旧暦の七夕、8月半ばでも
都会の空の下、肉眼で天の川を堪能するのは難しいが。
今から約40年前、星から教えられたことがある。
小学生の夏休み、友達の親戚が暮らす長野県に連れて行ってもらった。
クワガタやカブトムシ捕り、スイカ丸かじり。
すべてがワイルドだった。
そんな夜、近くの田んぼに行った。
ホタルの光と圧倒される星空。
それまで東京で見る星空が普通で、
どこに行っても同じにしか見えないものだと勝手に決めていた。
それがどうだ、息を飲んだ瞬間だった。
あまりにも多い星の数、そして明るさ。
何かに打ちのめされた感覚だった。
「自分が当たり前と思っていることは、当たり前ではない」
そして、あの時見た星の光が、実は何百光年も前の輝きのものがある、
ということを知るには、20年以上の時を要した。
時間ができたら、あの、ウヨウヨとした星空を眺めに行きたい。
今度は酒を携えて。