寺島尚正 今日の絵日記
2011年2月13日 津軽の芸術品
2月12日まで、東京ドームで
テーブルウェア・フェスティバル2012が開かれていた。
第20回というから、なかなかの歴史である。
個人的に大好きなイベントだ。
海外の王室の食器を口をぽっかり眺めたり、
著名人が創作したテーブル上のアレンジも楽しい。
ガラスの名品を生み出すチェコからガラス彫刻の天才が
実演していたりもする。
何より楽しみなのが
日本全国、並びに世界各国の食器が安く買えること。
ここ4年は毎年足を運び
東京ドームのグラウンドに設けられた130を超えるブースを
目を輝かせながら覗く。
今年はチェコのお隣りポーランドのクリスタルグラス(900円)
が収穫だった。
ペアの物が何らかの理由で単品売り。
買えば4000?5000円といったところか。
お得な買い物は心を元気にしてくれる。
そしてもう一つ。
津軽金山焼きの水差しに出会った。
津軽弁が人なつっこさを醸し出す60代の親父さんと話すこと15分。
金山の大溜池の底に堆積していた良質の粘土。
山林には風雪に耐えてきた大量の赤松。
かつてこの地にあった須恵器の強い影響を受けた津軽金山焼は
釉薬を一切使わずに、1300度の高温でじっくりと焼きあげて固める
「焼き締め」の手法で、深みのある独特の風合いをそなえた焼き物となる。
その時々の窯で焼き上がりが違う為、同じ景色は一つとしてない。
作品に付着した赤松の灰などを、紙やすりで丁寧に磨いて完成。
さらに、この水差しは、焼いた粘土や薪の灰からミネラルがでるという。
この光沢と形、そして優しくも熱のこもった話。
ここまで金山焼きの魅力を聞けば買って帰るのが人情。
水差しとお猪口セットで500円まけて貰って話は成立。
翌日、一晩寝かせた水を飲んでみた。う?ん、まろやか?。
金山焼き水差しのまろやかさを増した水。ポーランド製グラスに注ぐスコッチ。
津軽とスコットランドが手を結ぶ!たまらないなあ。
あ、ウィスキーがないのだった・・・。