寺島尚正 今日の絵日記
2011年7月25日 おかめに注目!!
台風の雨のお陰で、ゴーヤのツルが前進を始めた。
48マスの半分、24まできた。
水やりのコツも覚えた。
根本にだけでなく、葉にも蔓にもシャワーを浴びせてやる、
これで元気になった。
7月23日、24日と八王子は各町会の山車がでた。
去年は盛大に行われたが、今年は震災の影響で、
その規模は縮小された。
早々と「八王子まつり」の中止が発表され
寂しい気持ちを抱いていたが、
1年の燃える照準をこの祭りに合わせている人が多いのだろう。
示し合わせた如く、幾つもの山車が引き回された。
そこで改めて祭りの大切さを感じた。
「ハレ」と「ケ」(日常と非日常)の重要性は勿論、
近所が1つになる機会。
何より年長から若者への伝統文化の継承だ。
山車の舞台では、お面を被った滑稽な踊り、
横笛や鳴り物が賑やかに披露される。
その練習は祭りに向けて長時間繰り返されるという。
そして当日は
小学校低学年からおじいちゃんまで入れ替わり立ち替わり
舞台に臨む。
楽器のリズム・メロディーも数種類。
さらに、踊りに至っては何の気なしに見ているが
かなりの踊り方がある。
今回驚いたのはひょっとこが頭巾を被り、桃色の羽織を纏い踊る
その脇にいる「おかめ」である。
ひょっとこは小学生ぐらいの子供が演じている。
おかめは・・・60代の男性が担当しているのだ。
ではどうしてこんなに小柄なのか・・・。
白木みのる氏タイプの人ではない。
脇から見て感動した。
ひょっとこの脇に仰向けに寝て、右足を空に向けてあげているのだ。
右足に衣装が施され足の甲が顔になっている。
そして演者の手がおかめの手になり、仕草をする。
ちなみに左足にはひょっとこが。
たまに両者が登場したが、さすがに両足を上げるのは大変と見えて
3分程度だった。
これには感動した。
まさに伝統踊りのウルトラマン状態。
さらに気になったのは、この男性の舞台からのはけ方。
じっと見物していた。それも横から。
やがてその時が来た。
仰向けに寝ている演者がゆっくりと足を降ろす。
ミニひょっとことミニおかめが見物者の視界から
倒れるように姿を消す。
御簾で隔たれた控え室から、スタッフの手が伸びる。
寝ている男性の膝辺りをつかんで御簾の内側へ引っ張る。
仰向け演者はその力を利用して、芋虫のように退場。
最後までお客に演者は顔を見せずに去っていくのである。
演じ手の、正に足芸の美学を見た気がした。
すでにこの踊り、何人もの若手が稽古を始めていることだろう。
次に見物した時、また横から見るのが楽しみだ。
若い人がやっているかな・・・。