寺島尚正 今日の絵日記
2011年2月21日 フランスの香り?
2月は我が豚児の誕生月である。
重ねて、彼は今月高校受験だった。
2月前半生まれは、受験の年、
誕生会どころではない気がする。
反面、誰よりもドラマチックなバースデーになる。
我が家といえば・・・。
望み通り!
とはいかなかった。
でも、失意のどん底とも違う。
思い起こせば、私の高校受験は・・・
大失敗。
自分よりも周りが意気消沈したのには驚いた。
母が寝込んだ。
初めて「自分だけの人生では無いなあ」と感じた。
家族の、そして周囲の協力があってこそを痛感。
それに比べれば、息子の受験ドラマは、
微熱ですんだ風邪のようなものだ。
「誕生日と受験記念はなにがいい?」
息子に聞いた。
「自転車がいい」
「自転車なら、あるだろ?」
「うん、クロスバイクが欲しいんだ」
「何だ?それ」
「ロードバイクとマウンテンバイクのいいとこ取りだよ」
「具体的には?」
「先ず車体がママチャリより軽い。そしてタイヤが細い」
「そうだと?」
「ギヤも細かいから、アップダウンにも対応できて、遠くまで行ける」
「弱点は?」
「接地面が少ないから安定性に不安。特に雨の日」
去年まではこんなに理路整然とこたえなかった.
この1年でまた成長した様だ。
自転車屋に行った。
親に気を遣ってか、安い方から選ぼうとする。
係の人にアドバイスを受け、自分に合う自転車を決めた。
3万円ちょっとした。
車に積んで家に持ち帰った。
「お前、黒じゃなくてよかったのか?」
「うん、少しでも周りから気がついて貰わないと」
「だから黄色にしたのか?」
「あはは、目立ちたいしさ!」
いいやつだと思った。
『親は交通事故を心配する。
だから、自転車は目立った方がいい・・・。』
息子の洋服は黒ばかり。
「おい、この自転車に名前つけようか!」
「もう決めてるよ」
「お!何だ?」
「イエモン」
あえて由来は尋ねなかった。
いい名前だと思った。
3日に一度は空気を補充しないとならない、
フランス式のタイヤである。
語尾が上がる発音をした息子。
早速あたりを1周。
息子の背中が少しだけ大きくなった気がした。