寺島尚正 今日の絵日記
2009年11月02日 大地に還る
10月いっぱいまでは午後5時に街のスピーカーから流れていた
「夕焼け小焼け」がこの日曜から4時になった。
今年も11月。2009年はあと2ヶ月を切った。
2ヶ月という時の流れをあなたはどう捉えているだろう。
私は「定着と忘却の一単位」と考えている。
民主党が総選挙で大勝してから約2ヶ月。
それまでは55年体制といわれ、ずっと自民党の時代だった。
そして今回民主党・国民新党・社民党連立政権が誕生。
国民の意思とはいうものの、
この連立政権に馴染むのにはもっと時間がかかると思っていた。
何しろ半世紀以上にわたり国を動かして来たのは自民党を中心とした政権だった。
これまで与党だった議員(大臣中心)の顔はテレビで顔なじみ。
一方、野党の顔は、代表や国会質問で目立った顔くらいしか覚えていなかった。
それがどうだ。たった2ヶ月で、自然に覚えてきている。
逆に自民の長老と呼ばれた面々の顔と名前を一致させるのが怪しくなってきた。
学生の頃を思い出した。
夏の終わりに失恋し、「しばらくは恋なんて・・」と痛手を被った心は、
文化祭の頃、違う異性にときめいていたっけ。これも2ヶ月。
人の噂も75日・・・現代は2ヶ月もあれば十分。
初め「こんな大変な仕事、絶対出来ない・・・」弱気だったものが
2ヶ月も経つ頃自信のかけらが芽生える、それも経験済みだ。
折からの強風で色づき始めた木々の葉が空を舞う。
2ヶ月後、すっかり葉を落とした幹を見て
私は何を思うだろうか。新しい年の始まりに。