■目次
- 1. 寄席とは?
- 2. 落語を楽しむための事前知識
- 2.1 階級
- 2.2 落語家になるには?
- 2.3 寄席でのマナー
- 2.4 寄席の開催日はいつ?
- 2.5 寄席のチケットの買い方
- 3. 東京の寄席4選
- 3.1 浅草演芸ホール
- 3.2 新宿末廣亭
- 3.3 池袋演芸場
- 3.4 鈴本演芸場
- 4. まとめ
寄席とは?
寄席について、落語を聴く場所と認識される方が多いですが、実際は落語を中心に、講談、浪曲、漫才、奇術(手品)、太神楽といった大衆芸能を演じる劇場のことを「寄席」と言います。
落語に少しでも興味があるのであれば、色々なプログラムを敢行する寄席は1日楽しめる場所になりますし、後述しますが価格も比較的安いため、リーズナブルに1日を過ごすことができます。
少しでも落語に興味がある方は、是非足を運んでみてください!
落語を楽しむための事前知識
階級
落語界は、かなり厳格な身分の上下があります。
こういった背景も知っていると、より落語を楽しめるので、簡単に落語界の階級をお伝えします!
落語界には「前座見習い」「前座」「二つ目(ふたつめ)」「真打(しんうち)」の4つの階級があります。
漢字で推測できてしまいますが、階級の順番として
前座見習 < 前座 < 二つ目 < 真打
の順番に階級が高くなります。
落語家になるには?
仮にとても噺(はなし)が上手に話せる人でもいきなり真打になることはできず、真打(師匠)の弟子に入門することが落語家への第一歩になります。
前座見習い
入門が決まって初めて「前座見習い」になるのですが、このタイミングではまだ落語家ではありません。
正式に落語家になると所属する協会があるのですが、この段階では師匠の許可が下りないため、協会には登録されず楽屋にも入れません。
そのため主な仕事は、かばん持ちや師匠の身の回りのお世話などがメインになります。
前座・・・出演=高座(舞台)に座るのが一番最初であることから
晴れて師匠から許可をもらえれば「前座」となり、楽屋に入ることが許されます。また、寄席でも10分程度の落語をします。
ただ寄席は毎日行われ、前座の方は毎回出なければならないのですが、師匠のお手伝いや楽屋の雑用なども継続するために、かなり忙しい期間が続きます。
前座のお休みは、大の月(日数が多い月)の31日のみなので、平均すると約2ヶ月に1日しかお休みがないことになります。
この忙しい期間は人によって異なりますが、約4~5年続けると次の位である「二つ目」に昇格します。
二つ目・・・2番目に高座に座ることから
ここで初めて雑用がなくなり、服装も紋付、羽織、袴を着ることができるので、見た目は一人前の落語家になります。
また、雑用がなくなることによって、毎日寄席にくる必要はなくなり、噺家としての技術を高めたり、自分で仕事を探さないといけない期間になります。
多忙な前座から、急に自由な時間ができることによって、だらけたりしてしまう人も出てくるそうです。
二つ目を約10年間勤め上げると、いよいよ「真打」に昇格します。
真打・・・最後に噺をする落語家
「真打ち登場」という言葉がある通り、「真打」が最上級の位で、寄席でも最後に噺す資格を持ちます。また、お弟子を持つことが許される階級となります。
しかし、真打ちはゴールではありません。「真打ちになって、初めてスタートラインに立つことができた」と言う人もいるぐらい、落語家は一生勉強し続けないといけない職業なのです。
寄席でのマナー
マナーといっても、服装の規定もないですし、飲食・飲酒も自由に行えます。
身近なものでいうと、映画館に行くようなイメージでいけば、まず問題ないでしょう。
映画館では撮影や録音、携帯電話の利用、大声でのおしゃべりなどを控えるなどが最低限のマナーですが、これは寄席でも同じです。
ただ落語は、噺家がお客さんをみてアドリブを入れたりすることもあり、大声で笑っていいというのは映画館と大きく違うポイントです。
落語家はお客さんの笑いが欲しくてしゃべっているので、いかに会場全体で盛り上がるかで面白さも変わってくるでしょう!
面白かったら恥ずかしがらず「笑う」ことが一番です!
寄席の開催日はいつ?
寄席は基本的に毎日行われています。こういった常設の寄席を定席といい、東京では4会場ほどあります。
正午前から始まる昼の部と、夕方5時頃から始まる夜の部の2部制を取っているところが多く、映画館のように入れ替え制ではありません。1日まったりもできますし、自由に出入りもできるのが、寄席のいいところです。(再入場は別途料金の場合があります)
また寄席のプログラムは、上席(1〜10日)、中席(11〜20日)、下席(21〜30日)で内容が変わっていきますので、会場ごとにご確認ください!
寄席のチケットの買い方
会場に足を運ぶと、窓口(木戸)があります。こちらへ料金(木戸銭)を支払うことで、寄席の会場に入ることができます。
寄席の料金は、2,500~3,000円程度で楽しむことができます!
東京の寄席4選
浅草演芸ホール
お笑い芸人でも有名な「ナイツ」が出ることもある定席の会場。
浅草演芸ホールは、365日営業をしており年中いつでも行けてしまうのが特徴!
また、浅草演芸ホールは1964年に開場しており、今でも語り継がれる著名な落語家の「立川談志」や「古今亭志ん朝」なども前座で高座に座った歴史のある会場になります。
新宿末廣亭
ここは都内唯一の木造建築で、新宿地域文化財第一号にも指定されるレトロな会場!
また会場の作りも特殊で、中央に椅子席があり、その両脇に畳の桟敷席があります。
指定席はなくすべて自由席になるため、桟敷席から椅子席に移ってもよく、気分によって視点を変えられるのも一つの楽しみ!
引用:LINE.トラベル.jp https://www.travel.co.jp/guide/article/10606/
写真:すがたもえ子
また2階にも椅子席と畳敷席があり、また違う視点で見ることができます。
ただ2階席は、1階が満席にならないと解放されないので、2階席にいけるかは運次第......!
引用:LINE.トラベル.jp https://www.travel.co.jp/guide/article/10606/
写真:すがたもえ子
池袋演芸場
池袋の会場は、噺家の数を絞ることで噺時間が長くなっています。
また、こちらの会場はJR池袋駅北口から徒歩1分! 更に92席と比較的小規模な会場となっているため、噺家さんとの距離が近く臨場感を味わえるのも魅力の1つです。
鈴本演芸場
現存する寄席で一番歴史があり、なんと江戸時代に開設! 160年の歴史を誇ります。
最寄駅はJR御徒町駅。周辺にはアメ横があるので、買い物を楽しみながら寄席の会場に行くのも一興です。
なお、落語の協会には「落語協会」と「落語芸術協会」の2つの協会が存在しており、他の会場では交互に演者を配給しているのですが、鈴本園芸場の演者は「落語協会」のみの配給となります。
まとめ
いかがだったでしょうか?
いずれの会場も東京で行きやすい場所にあり、特徴も違うので、それぞれ1回訪れるのもいいと思います!
事前に落語を聞いて勉強したい方は、文化放送の落語オンデマンド配信サービス「らくごのブンカ」を聞いてみてください!
会員登録をすることで一部無料で聞くことが可能です!