再生エネルギーは繰り返し使え環境に優しいエネルギーのことであり、主に水力、風力、地熱、バイオマス、太陽光といったものが挙げられます。再生エネルギーは温室効果ガスを排出せずに国内で生産できることから、現在ではとても注目されているエネルギー源とされています。
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日本の温室効果ガスの排出量は年々増加しており、2019年では、日本は世界第5位の二酸化炭素排出国であり、こうした現状を改善するためにも再生エネルギーの需要は高まっていると言えます。この状況の改善についての取り組みは政府だけが行うものではなく各々が意識して行うことが重要であり、例えばエコカーにする、エコ家電にするといった選択が近年では見られるようになりました。広がりつつあるエコ、未だ大きな改善とは至っていませんが、個人の取り組みや、事業での活動として浸透してきており、新たな我々の暮らしの支えとなりつつあります。
そんな中、顔の見える電力というキャッチコピーで、「みんな電力」が今最も注目されています。電力の生産者と消費者がつながることができるようになっており、どこで発電された電力で、生産者がどのように思い、どうやって作られているか、消費者側が知ることができます。自分のお気に入りの発電所を「応援」することもでき、応援することで電気料金の一部を発電所へお渡しすることも可能です。応援は電気を使うこと、それだけで実施することができるため、難しいことは一切無く、契約後には発電所から、お礼として野菜などの特産物やギフト券などが贈られるなど、実にユニークな電力会社ということで話題になっています。
みんな電力では、それだけでなく、ブロックチェーンを取り入れた電気取引システム「ENECTION 2.0」というシステムを開発。発電量と需要量をマッチング、どこの発電所からどれだけの電力が来ているか、Co2の排出量はどの程度かといったものを30分単位で管理することも可能となっている日本初のシステムです。最先端テクノロジーも取り入れ、知的財産ポートフォリオの強化を図ることで、再生エネルギーを直接取引できるオープンプラットフォームの構築を推進して行くように努めており、今後の動向が気になる企業なのではないでしょうか。
2020年10月12日の放送では、今回ご紹介した「みんな電力」社長の大石英司さんと、ジェイ・キャスト執行役員の蜷川聡子さんにご参加いただき「みんな電力のビジネス」から「電気のブランド化」について熱いトークが繰り広げられました。
顔の見える電力、実際のビジネスは。
大石 皆さんが使っている電気は、どこの発電所からきているかってご存じですか?答えられない人が多いと思います。毎日使っている電気代は年間10万前後で、どこに消えているか分かっていないような状況よりも、その電気代を福島の復興などに使え、故郷の水力に対して払えた方が有効的ですよね。電力を自由に選んでもらうビジネスを行っています。
入山 野菜とかで農家さんの顔が見える、といったビジネスは最近ありますが、それの電力版であるということですね。
大石 顔が見えるというコンセプトでずっとやってきました。青森に横浜町というのがあるのですが、そこの電力が神奈川の横浜で使われています。そのつながりで自治体同士が提携して、学生たちが互いに修学旅行へ行ったりするという計画が生まれるなど、実際に人と人との交流も生まれています。
電気のブランド化
大石 電力市場は15兆円規模と言われており、その1%だけでも1500億円の規模があるんですね。なので、1%の方に共感を得て、ファンになってもらうことを当面の目標としています。今は、自宅で太陽光を使い発電されている個人の方も徐々に増えてきていて、例えば将来的にはタレントさんの発電した電気も出てくると思うんですね。ファンの方たちが、高く買いたいと言えるようなもので、電気の付加価値化ですよね。現状、再生可能エネルギーは、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」というものがかかってしまうのですが、こう言った価値が生まれてくると、今度は皆さんの負荷も減らすことに繋がるんです。
入山 なるほど、電気のブランド化のようなことなんですね。
浜松町Innovation Culture Cafe
放送日:月曜 19:00~19:30
出演者:入山章栄
過去回:Podcast
毎週月曜日、午後7時から放送している『浜松町Innovation Culture Cafe』。パーソナリティは早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄さんが担当します。
当番組はさまざまなジャンルのクリエーターや専門家・起業家たちが社会問題や未来予想図などをテーマに話す番組です。自身の経験や考え、意見をぶつけて、問題解決や未来へのヒントを探ります。