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ショートショートといえば、「星新一」の名が挙がる方が多いかと思います。膨大な作品量を持ち、そのどれもが質の高さを兼ね備えており、ショートショートの神様と呼ばれてもいます。その星新一さんの唯一の弟子である江坂遊さんが認めた作家・田丸雅智さんについてご紹介いたします。

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現代ショートショートの第一人者

作家としては2011年にデビューを果たし2012年には代表作でもある「海酒」が樹立社ショートショートコンテストにて最優秀賞受賞を果たしています。2016年には「海酒」が短編映画化され、カンヌ国際映画祭など多数の映画祭で上映されました。その後もテレビドラマ化された作品も手掛けており、今後では書き下ろしの作品が中学1年性の教科書に載る予定となっています。画期的なアイデアは、ひらめきという偶然に頼っているだけでは、なかなか生み出せない為、アイデアを得るための確立を上げる独特なメソッドもお持ちです。

活動内容

自身の作品執筆だけでなく、田丸さんは現在、様々な活動をしています。参加者が延べ2万人以上にもなるという「ショートショートの書き方講座」は、小学生からシニアまで幅広い層を対象としており、田丸さんが生み出した「田丸式メソッド」、これを使えば誰でもショートショートが書けると言うほどです。このメソッド自体は誰でも使用できる単純な方法で、複数の単語をあげて、その中から「二つの言葉を組み合わせる」というものです。もちろん小説がそれだけで完成するわけでは無いため、どのように解決して行くか、終わりがどうなるか等も要素として大切で、様々なことに思考を巡らせる必要があるため、右脳や左脳の両方の力が必要となってきます。ビジネス面で考えても、自己研鑽に繋がる要素も有りますし、応用すれば全く新しいものを生み出すアイデアの一つ、イノベーションの種になり得るメソッドでも有ります。

田丸さんは、空想力が日常を楽しくする秘訣であると語っており、物事を様々な側面から観測することのできる力は、ビジネスにも役に立つと考えられると仰っています。そして、我々の未来を考えることも「空想」で有り、そこへと進むための解決方法を考えて行くことが正に「未来を作る力」であると考え行動されている方です。

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文化放送のラジオ番組『浜松町Innovation Culture Cafe』2020年9月28日の放送では、今回ご紹介させて頂いた、田丸雅智さん、歌人の笹公人さんにご参加いただき、「妄想力」について熱いトークが繰り広げられました。

妄想の力

田丸　私の最終目標は「空想で世界を彩ること」なんです。例えば、どこにでもあるペットボトルのお茶でも、ペットボトルのラベルを剥がしたらまた新たなラベルが出てきた、とか、お茶だと思ったらお茶ではなかった、という空想は「あり得ない」と切り捨てることは簡単ですが、しかし、これがもしそうであったなら楽しくないですか？そして、これは実利のある事なのではないかと考えています。

入山　ビジネスにも求められている事と同じで、目の前にあるものを飛躍させる事がイノベーションの種になるんですね。

笹　脚本家が大喜利みたいにして話を広げていったようですね。

田丸　笹さんの作品はショートショートに凄く近い所があり、想像の余地があるんですよね。作品内に全てを書き切らずに、作品を読者さんに渡した時に、その方の中でワッと広がるんです。

笹　読者の頭で完成するもので、余白を入れるんです。

田丸　誰が読んでも同じではない、というのが嬉しいですよね。

妄想力は子供の特権？

入山　小さい頃に妄想力はありますが、大人になるにつれて無くなってしまうというイメージですが、妄想力は生まれつきの力なのでしょうか。

田丸　子供の方が柔軟だというイメージがありますが、大人は常識のヘルメットというのを被っているので、堅そうに感じるだけです。実はこれをメソッドで外せれば、大人も子供と同じように妄想は出来るはずなんです。大人は人生経験が教養になっているので子供よりも面白いものが書けるはずで、実際に大人の方が面白いものを書けますね。

笹　そうですね。大人が子供に負けることはないと思います。