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イニエスタ選手がコンサルティング会社のCEOに就任したというニュースはご存知でしょうか。未だ記憶に新しい方が多いと思います。リブ・コンサルティングという会社で100年後の世界を良くする会社を増やす、という経営理念を掲げています。イニエスタ選手はこの会社のChief Evangelistic Officer（チーフ・エバンジェリスティック・オフィサー/最高理念伝導責任者）に就任し、内外から事業活性化を行っているそうです。

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コンセプトの力。デザインの力。

ベンチャー事業の支援に力

リブ・コンサルティングの主な支援先は、注目度の高い成長ベンチャー企業、そして地域で活躍する中堅企業・準大手企業であり、代表取締役である関巌さんが大のサッカー好きであるとのことでサッカー的な考えも導入されています。イニエスタ選手との対談動画でも、内部の人では見えない、他の人から見えないコースをコンサルティングという方法を用い見通すことで支援していく部分がイニエスタ選手と通ずる部分があると語っています。

アイデアや信念、哲学を持つことが重要

イニエスタ選手は対談で、何をするべきかに基づいて一つのアイデアを持ち、そして哲学を持ち、最後までやり抜くことが大切だと語っています。どんなチームもどんな代表も良くなり続け、成長し続けなければいけない。それをサポートし、特質を活かして活躍するリブ・コンサルティングに共感しCEOへ就任するきっかけとなったようです。

関巌さんは、個人理念を持つ人がコンサルタントに向いており、自分に対して常に高いレベルを要求できる人を求めていると語っています。自分が努力することでクライアントを変えていくことがコンサルタントに大切なこと。大きな会社や大きな学校に入ると、○○社の誰々さんや○○大学の誰と自分自身ではなく、所属団体で判断されてしまいがちです。そのような人生は面白くないので、自身、個人を見てもらい判断されるために、自分の力が存分に発揮できる場所、何をしている時が一番輝けるのかを、きちんと探しておいて欲しいと仰っており、これから先の社会を築いていくリーダーシップ性もある方です。

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文化放送のラジオ番組『浜松町Innovation Culture Cafe』2020年9月12日の放送では、そのリブ・コンサルティングの関巌社長と、サッカーの実況で有名なフリーアナウンサーの倉敷保雄さんにご参加いただき、「優秀な指導者」から「サッカーから学ぶ経営」について伺いました。

優秀な指導者とは

倉敷　真っ先に思い浮かぶのは、マンチェスターユナイテッドのファーガソン監督です。指揮を執ったキャリアの２７年間、トップ３を外したことはありません。サッカーを指導するだけでなくフロントの一員として経営にも重要なサジェスチョンをする立場で働いていました。ヘアードライヤーというあだ名があったように怒ると本当に怖く、選手に対しては大変厳しい方でしたが、一歩ドレッシングルームを出ると、メディアの攻撃から全力で選手を守る、選手にとっては父親のような存在でした。フィールドの中でも素晴らしかったし、マネジメントという点でも優れていたと思います。

関　ファーガソンはハーバードビジネススクールで講演したくらいなんです。社長と経営陣の役割を分ける分担型マネジメントに近いなと思います。ファーガソンは練習メニューも考えないし、試合相手の分析もしない。但しレギュラーを決めることと、チーム全体に「勝つ」というフィロソフィーを打ち込むことは徹底していました。

入山　ファーガソンは今の会社経営におけるCEOですね。ビジョンなどをしっかり共有しつつ、いい人を集めて権限委譲する。

サッカーから学ぶ経営

倉敷　喜びを与えるというのは指導者にとって一番大事なことでです。選手はエリートなので色んなことが出来るが故にすぐ飽きてしまうんですね。監督は選手が飽きないよう、どのような提案が出来るかが重要だと思います。ジョゼップ・グアルディオラ監督やルイ・ファン・ハール監督は練習が面白いということで大変評価されていました。

関　エンゲージメントやモチベーションは非常に大事ですね。実は弊社の組織作りの７割はFCバルセロナの人材育成を参考にしています。人材を育てるのか他から取ってくるのか、という選択肢があると思いますが、我々のスタイルは業界で少し異なるため経験者だけを集めても意味がないのです。組織のベースは人材育成で作ることができますが、最後にその組織が大きく跳ねるかどうかは、才能がある人が生まれるか、獲得できるかです。それは運ではありますが、それを支えられる人材を育てているかが一番重要だと考えて行っています。

倉敷　凄いですね。ベルギー代表が強くなったのは、選手を有名なクラブに進んで移籍させるからなんです。そこで選手を育ててもらい、ベルギー代表として戻ってくるんです。ビジネスにも応用できるような考え方ですよね。