超論理的思考というものが、これからの時代のビジネスパーソンには必要と言われています。直感やひらめきといったものも大切と言われていますが、これは、二者択一のものではなく、直感やひらめきに対して論理的な説明が行えることが重要であり、また論理的に行き着いた先の最後に直感やひらめきが必要になってくるということです。
天才と言われる方々や数々のヒット商品を生み出す様な方々は直感だけではなく、それが何故売れるのか、どう言った価値が生まれるのかを緻密に論理的な思考を持って掘り進めており、それを実現しているからこその結果があります。
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コロナ時代での変化
コロナ時代へと突入し、在宅時間が増えてきたことで、これまでとは異なったアプローチが必要となってきています。これまでは効率、利便性といったものに大きな価値が見いだされ、求められてきていましたが、今求められているものは、それとは逆と言ってもいい状況です。これまでと同じ発想ではなく、今、コロナという大きな問題に直面し、それが一斉にガラッと変わってきたのであれば、人々に対して何が出来るのかを改めて考えていく必要があります。論理的な思考と合わせて直感力も鍛えていくことを重要視するべきなのでしょう。
文化放送のラジオ番組『浜松町Innovation Culture Cafe』2020年8月8日の放送では、クックパッド株式会社のブランディング編集担当本部長である小竹貴子さんと、「世界のエリートは何故美意識を磨くのか」等の著者である山口周さんにご参加いただき、「価値観の変化」から「生産性の向上方法」について伺いました。
価値観の変化
山口 今回コロナで、家にいる時間が増えてきていますよね。60%から80%程度をリモートにすると効率がとても良くなる、という研究結果が出ているようで、週3日から4日ほどが在宅になるわけですが、家の中というのは文化の塊なんですよね。音楽をかけたり、ガーデニングにお金を使ったりと、効率的なものにお金を支払うのではなくて、自分の暮らしを豊かに身の回りのものにお金をかけてくるようになるんですね。いつも作ってるお料理に少しの贅沢をプラスしたり、使う材料を少し高価なものにしたりと、効率という価値では測れないものにお金を使っていますね。
小竹 クックパッドでも実際に「節約」と「簡単」という検索キーワードが下がって、「手作り」という検索キーワードが上がったんです。収入が減って厳しい状況になっているとは思うのですが、食事の時間を重要視されていて、豊かなものを築こうとされている傾向が窺えると言えます。
生産性の向上
山口 日本の労働生産性が悪いと問題視されていますが、労働市場が健全に機能していないという点も問題だと思っています。夢中になれる仕事や面白い経営者がいれば、そこに集まってくると思うんです。夢中なことであれば社会の生産性がもっと上がってくると思っており、そういった人をどうやって増やしていくか、つまらないと感じる部分は捨てて、もう少し「ワガママ」になって自分のやりたいことをやってみるのが日本人には必要で、そのほうが良いのではないかな、と思うんですよね。
入山 若干変わってきましたが、日本の労働環境では、入った会社からは出ない、夢中になれる仕事を見つけても人事異動などで2、3年で変わってしまって続けることができない、ということがありますよね。
砂山 皆が皆、ワガママになってしまったらまとまりがなくなってしまい困ってしまうのではないかと思うのですが、そう言った点はどのように思われていますか?
山口 管理など、つまらないことはAIにやらせてしまえば良いのではないかと思いますね。気が進まない仕事をAIが実施することで人が無駄な部分に時間を割く必要もなくなるのではないかと思っています。そうすることで生産性も、より向上するのではないかと考えています。
浜松町Innovation Culture Cafe
放送日:土曜 18:00~18:57
出演者:入山章栄
過去回:Podcast
毎週土曜日、午後6時から放送している『浜松町Innovation Culture Cafe』。パーソナリティは早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄さんが担当します。
当番組はさまざまなジャンルのクリエーターや専門家・起業家たちが社会問題や未来予想図などをテーマに話す番組です。自身の経験や考え、意見をぶつけて、問題解決や未来へのヒントを探ります。