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2020.08.17

新しい産業を生み出すには『浜松町Innovation Culture Cafe』


日本の成長戦略である「新産業構造ビジョン」はご存知でしょうか。技術革新に代表されているビッグデータ、IoT、AIなどの第四次産業革命を用いて更なる構造的課題に対して解決を図る事が目的として掲げられたものです。少子高齢化や地方の疲弊などが大きな課題として挙げられています。そして、今技術のブレイクスルーが発生していると言われており、実現不可能と言われていた社会が実現可能に近づいています。


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人にとってかわるAI

ディープラーニングによるAIの進歩により、AIが人に取って代わるとも言われています。これらの発展により消滅する仕事もあると言われ、危機感のある方もいるかと思います。この先に必要なのは少数が扱えるスキルを身につける事。食品や小売、銀行などもデジタル化していく事で、様々なデータを揃えることを意識していく世の中になって行きます。それらを扱えるようなスキル、そして、そこから新たなビジネスへと繋げる知見などが必要になってくると思われます。具体的に昨今では、見える化が困難であった部分がAIによって明確な数値・データとして見えるようになってきているというメリットがあり、現場との温度差を埋めることやオペレーションの見直し等を行えるようになってきています。


我々が目指すべき社会

Society 5.0という仮想空間と現実空間を高度に融合させたシステムにより経済発展と社会的課題の解決を両立する社会が、日本が目指すべき姿として提唱されています。


これまでの社会では、経済や組織といったシステムが優先され個々の能力に応じて受けることのできるサービスやモノに格差が生じていました。しかし、煩わしい作業に関してはAI・ロボットが担うことになっていくことで、より質の高い生活を送れるようになっていけます。こういった社会を生み出すには、社会的課題の解決も行っていく必要があり、国連の掲げるSDGsの達成にも通ずるモノです。日本は先進国の中でもイノベーションなどの面では遅れをとっていますが、これから新たな価値を創造していく事で、世界に先駆けて、このSociety 5.0を実現していくことを目標としています。


知見やノウハウなどを活用しイノベーションマップに従って支援を行い新たな技術イノベーション創出を図る事業などもありますので、興味のある方は是非、確認してみてください。


参照)経済産業省「産業技術ビジョン2020」

https://www.meti.go.jp/press/2020/05/20200529010/20200529010.html




文化放送のラジオ番組『浜松町Innovation Culture Cafe』2020年8月1日の放送では、Panasonic Game Changer Catapult代表 深田昌則さんと、レノボジャパンやN E Cパーソナルコンピュータの代表取締役社長であったSUNDRED株式会社代表取締役パートナー留目真伸さんから、「今求められること」や「新しい産業の生み出し方」について伺いました。


今求められる大切な4つのポイント

入山 今求められているマインドセットは何でしょう?


深田 我々が意識しているのは4つのポイントです。

一つ目は、会社の視点だけでなく、自分の視点、社会全体の視点の3つを同時に持つことです。自分の人生にとってどういった意味があるのか、社会に対してどのように意味があるのかを考えるべきです。

二つ目は、ネガティブをポジティブに。この時代で大変だ、と嘆くのではなくビジネスチャンスが増えたと捉えるべきです。

三つ目は、アイデア+行動。アイデアを複数出して行動を多くすることが大切です。

そして四つ目が「意味のイノベーション」。新しい事業は社会に対してどのような意味があるのかを説明できるかどうかです。効率や利益ではなく、社会に対する意味の方が大切なんです。


新しい産業の生み出し方

留目 どんな組織に属していようと新しい目的や世の中の課題に敏感に反応して、活動に参加したい方々が多くなってきており、そういう方々をインタープレナーと名付けて集めて、目的に対して、どのようなエコシステムで解決していけるかを対話していくということをやっています。

大企業を変えるのはとても大変で、1人の社員や社長でも既存のオペレーションを変更するのは難しいんです。新しいものの見方が出てきたときに会社の外で対話しながら新しいエコシステムを考えて設計図を出せれば、具体的な提案ができるので会社も動きやすくなるのでは無いかと思うんです。まずはインタープレナーをやって様々な対話を繰り返し、会社を巻き込んでいくことで良いオペレーションが出来ていくようなイメージです。何よりも新産業で大事なのが共感です。例えば「水産資源を守りましょう」といった大目的がありますが、これだけでは動けないんですよね。自然保護するのか、何をすれば良いのか分からない。しかし、駆動目標というものに落とし込んでいくと、やることが決まって、やり方がわかれば、共感を得られるんです。新しい産業は小さいものでは出来ないので、それを繰り返し色々なプレイヤーを巻き込み大きくしていくことで生み出していくイメージです。


浜松町Innovation Culture Cafe

放送日:土曜 18:00~18:57

出演者:入山章栄

メール:innovation@joqr.net

過去回:Podcast


毎週土曜日、午後6時から放送している『浜松町Innovation Culture Cafe』。パーソナリティは早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄さんが担当します。

当番組はさまざまなジャンルのクリエーターや専門家・起業家たちが社会問題や未来予想図などをテーマに話す番組です。自身の経験や考え、意見をぶつけて、問題解決や未来へのヒントを探ります。

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